The 1975も魅了したオルタナ新世代、ビーバドゥービーが語る「はみ出し者」の音楽人生

カート・コバーンを想起させる作曲センス

昨年10月に『Space Cadet』EPをリリースし、クレイロのオープニングアクトとしてツアーに帯同する頃には、クリスティはオルタナティヴ・ロックの灯火を受け継ぐ役割を担うまでになった。彼女がこのEPの制作にあたってインスピレーション源としたのは、自分の内向的な性格と、エリア51のミームだった。エリア51は当時Z世代のあいだで人気のインターネット上の話題になっていたのだ。「ただ無意識に宇宙について書き始めちゃっただけ、だってどこにいても宇宙は見えるから」笑いながら彼女は語る。

「She Plays Bass」や「Sun More Often」といった楽曲はオルタナティブ・ロック専門のFM局のラインナップに実にぴったりはまるはず。スマッシング・パンプキンズやシルヴァーサン・ピックアップスといったバンドの合間にかかってもおかしくない。「I Wish I Was Stephen Malkmus」では、彼女は自分にとっての90年代のヒーローの名前を曲名にさえしている。しかし、「ペイヴメントの安っぽいものまねじゃないの?」とか言うならあなたは間違っている。歌詞にはクリスティらしさが満ちているからだ。「私は変わりたかった、誰に言われたわけじゃない/髪の色は青、見ればすぐわかるはず/この色が気に入ってるってことが」轟くようなグランジ的なコーラスで彼女はこう歌う。ありのままの姿でいられることに、すっかり安らぎを覚えているようだ。




「彼女は本能的で直感的な音楽のセンスがあるし、すごく良い審美眼を持っている」とプロデューサーのピート・ロビンソンは語る。彼は『Loveworm』と『Space Cade』双方のEPでクリスティと仕事をした。「カート・コバーンが曲を書くならあんな感じだっただろうーー彼女は音楽の経験をつんでいるわけではないけれど、ギターは上達していくはずだ。彼女の心に浮かぶサウンドは、実際のところ技術的には込み入っていることがしばしばだ」

ロビンソンはクリスティと共に今年中に出るはずの彼女のデビューアルバムの制作中だったが、COVID-19の流行に伴ってイギリス中が隔離期間に入ってしまった。クリスティと彼女のバンドにとって幸いだったのは、アルバムの完成に必要なレコーディングはあらかた済ませていたことで、あとはチームと共に楽曲のミックスとマスタリングをリモートで行うだけだ(その後、アルバムのリードシングルである「Care」が7月15日にリリースされた)。

これまで成功を手にしてきた彼女だが、いつまでも音楽の道を進み続けるわけではないという。いわく、いつかは先生になりたい、保育園で歌うための曲をつくる作曲家っていうのもいい。

「もちろん音楽は副業として続けたい」と彼女は語る。「もしかしたら子供向けの本を書くかも。そうなったらめちゃくちゃいい」






ビーバドゥービー
「Care」
配信中
https://smarturl.it/su8tao

20susoni-14-1350-t-015.jpg

SUPERSONIC

東京公演
日程:2020年9月19日(土)・ 9月20日(日)・ 9月21日(月・祝)
会場:ZOZOマリンスタジアム&幕張海浜公園
時間:9:30 開場 / 11:30 開演
料金:
【1DAYチケット】¥14,000
【3DAYチケット】¥36,000 ※枚数限定
【プラチナチケット(各日)】¥20,000 ※枚数限定
プラチナ特典:専用ビューイングエリア、物販・オフィシャルバー優先レーン、クローク

大阪公演
日程:2020年9月19日(土)・ 9月20日(日)
会場:舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
時間:9:30 開場 / 11:30 開演
料金:
【1DAYチケット】¥13,000
【2DAYチケット】¥24,000 ※枚数限定
【プラチナチケット(各日)】¥18,000 ※枚数限定
プラチナ特典:専用ビューイングエリア、物販・オフィシャルバー優先レーン、クローク

チケット一般発売日:7月11日(土)10:00~
https://supersonic2020.com/

Translated by imdkm

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE