吉田拓郎と井上陽水、1970年代のライブアルバムを振り返る

1971年6月発売のライブアルバム『よしだたくろう オンステージ ともだち』


この翌年1972年に『結婚しようよ』をリリース、拓郎さんはフォークの貴公子として世の中の脚光を浴びて、時代の寵児になります。先週ご紹介した岡林信康さんには無かった華やかさ、明るさというのが、拓郎さんをそういう存在にしましたね。拓郎さんの当時の色々な面が現れているのが、このアルバムですね。

「動の拓郎、静の陽水」という2人の比較をお楽しみいただけたらと思うんですが、今日はもう1枚ご紹介しようと思うんです。1973年12月21日に出た、拓郎さんのライブアルバム『よしだたくろうLIVE’73』です。井上陽水さんの『陽水ライヴ もどり道』の5ヶ月後ですよ。1971年の拓郎さんとはガラッと変わったライブですが、どんな風に変わったのか? 先ほどの「マークⅡ」がこうなりました。



吉田拓郎さんが1973年12月に発売した、ライブアルバム『よしだたくろうLIVE’73』から「マークⅡ」。先ほどお聴かせしたものとは同じ曲とは思えないと思われた方もいらっしゃるでしょうね。ギターが、ワカチョコワカチョコ鳴っております。この『よしだたくろうLIVE’73』は、12月1日に出た陽水さんの『氷の世界』と同じ月に発売しているんですね。それから3週間後にこのアルバムが出ました。拓郎さんも陽水さんも1970年代フォークという括りでまとめられることもあるわけですけど、『氷の世界』もフォークとはいえない、ファンクだったりするわけです。拓郎さんもそこには収まらないという一つの証明のような曲ですね。

この『よしだたくろうLIVE’73』は11月26、27日に中野サンプラザで録音されました。ミュージシャンは、ギターが高中正義さん、ベース岡澤章さん、ドラム田中清司さん、キーボード松任谷正隆さん、そして猫の田口清さん、常富喜雄さん、内山修さん。そこにストリングスとホーンが入っているんですね。そしてアレンジが瀬尾一三さんですよ。俺はこういう音楽をやりたいんだ、こうやって歌いたいんだと、フォークの拓郎というイメージに対して強烈な自己主張をした。そんなライブアルバムです。全13曲のうち9曲が新曲でした。続けて、1972年のアルバム『元気です。』の中の「春だったね」と新曲だった「落陽」お聴きください。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE