全てはエルヴィスから始まった 1956年と1957年のプレスリーを聴く

「J-POP LEGEND FORUM」2020年8月の特集は、番組始まって以来初の洋楽。番外編"全てはエルヴィスから始まった"。エルヴィス・プレスリーは1977年8月16日に42歳で他界、今年は45回忌です。先週まで2ヶ月連続でライブ盤特集を続けてきましたが、今月は何をやろうかな? と考えておりました。あれだけ振り返ってきたわけですから、自分の原点に行ってみようかなということで、恐る恐るこの特集提案のお伺いを立てたら、すんなりとどうぞと言われたんですね(笑)。ようし、ということで始まりました、"全てはエルヴィスから始まった"。意味は二つあります、一つはもちろんロックの歴史、もう一つは私の音楽体験です。彼の名前を知らない音楽ファンはいないでしょう。でもどんな曲を歌っていて、どんな影響があったのか、何が変わったのか、どんな人だったのかということはあまり知らない方も多いかと思いますので、5週に渡ってやります。曲が短いですから何曲かかるだろうと思っております。もし存命であれば85歳なので、目指せ85曲。今日の1曲目は私が初めて買ったレコードです、1957年発売の『Jailhouse Rock(監獄ロック)』



初めて買ったレコードなんですが、実はシングル盤じゃなかったんです。コンパクトEPというのがありまして、33回転シングル5曲入り。映画『監獄ロック』のサントラの曲が入っておりました。"しゃれた看守のはからいで かんごくでパーティーがあったのさ"と平尾昌晃さんが歌っておりました。



1956年1月27日発売『ハートブレイク・ホテル』。RCAレコードから出た最初のシングルですね。全米チャート1位が8週間も続きました。これを聴いたのが小学校の時で、なんだこれっていうのが最初の印象でしたね。聴いたことがない音楽なんだけど、身体がざわざわして。大袈裟に言うと血が逆流している感覚があったんです。私の3つ上の姉が映画ファンで、「スクリーン」という雑誌を読んでいたんです。その中にアメリカのファンがその歌を聴くとパンティーを投げるというコラムがあって、それが食卓の話題になったんですね。そんなのがいるんだなあ、と思っていたんですが、ある時にFENか何かで聴いた時にこの曲か! と思ったのが最初でしたね。でも、その時にはこの音楽がいいとはまだ思えていませんでしたね。今聴いてもざわつく物があります。小坂一也さんが「恋に敗れた若者たちでいつでも混んでいるハートブレイク・ホテル」と歌っておりました。メジャー1枚目がこの曲なのですが、RCAレコードはその前のサン・レコードのものも再発していたんですね。サン・レコードでのデビューシングルのAB面をお聴きいただこうかと思います。

Rolling Stone Japan 編集部

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