全てはエルヴィスから始まった 1956年と1957年のプレスリーを聴く



FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」番外編"全てはエルヴィスから始まった"。今年は亡くなってから45回忌、エルヴィス・プレスリーの軌跡を個人的に辿っています。今週はPart1、1956年と1957年を中心にお送りしました。流れているのは、番組の後テーマ曲で、竹内まりやさんの「静かな伝説」。1956年って相当昔ですよ。私は小学生でしたが、島倉千代子さんのデビュー曲「この世の花」、フランク永井さんの「有楽町で逢いましょう」がヒットした年です。どのくらい時代が今と違うかというと、東海道線が全線電化したのが1956年なんです。それ以前の東海道線は、SLが走っていたんです。東京から電気機関車で米原まで行って、米原から機関車がSLに変わって大阪に行く。絶句するくらい昔の感じがするでしょう。情報がどのくらい入ってこなかったのか、日本とアメリカがどれほど遠いのか、洋楽がどんな音楽だったのかっていうのが今の人にとっては全て想像の外でしょう。『ザ・ヒットパレード』という洋楽を日本語で歌うというテレビ番組もまだありません。日劇ウェスタンカーニバルが始まるのは1958年です。なぜ日劇ウェスタンカーニバルが始まったかというと、『ハートブレイク・ホテル』が出て、『ハウンド・ドッグ』が発売されて、「冷たくしないで」が世界的にヒットして、「監獄ロック」が流れるようになって、日劇ウェスタンカーニバルが始まった。ロカビリー3人男は、皆一生懸命エルヴィスを歌っておりました。すべてはエルヴィスから始まったというのは、そういう日本のポップミュージックの歴史にも関係があると思ってお聴きいただけたらと思います。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

Rolling Stone Japan 編集部

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