トランプ大統領のTikTok禁止、米国内のネット右翼はどう受け止めた?

Photos in illustration by Jabin Botsford/The Washington Post/Getty Images, TikTok

トランプ米大統領のTikTok利用禁止をめぐる発表は、数多くのクリエイターたちの不安をあおり、彼らは即座に公の場で抗議しはじめた。普段は大統領を擁護するネット右翼のインフルエンサーたちでさえ、その判断に異を唱えた。

「今回の判断には断固賛同できません」とConservative Hype House(著名な右派クリエイターのグループ)のメンバーであり、TikTokで140万人のフォロワーを擁するCameron HigbyさんはこのようにTikTokに投稿したものの、トランプ大統領を名指しで非難することはなかった。

慌てた右派クリエイターの多くは、別のSNSプラットフォームでアカウントを見つけてフォローしてねといった内容のコンテンツをTikTokに投稿した。しかしながら、こうしたクリエイターたちに本誌が取材を申し込んだ頃には、彼らは驚くほど落ち着いた様子だった。同アプリの利用禁止によってZ世代の多くが政治にもっと関心を抱くようになるという予測に反し、今回の件によって大統領に対する見方が変わるようなことはないと右派クリエイターは主張した。

【画像】Z世代が動物の着ぐるみにハマるのは「自分らしくなれるから」(写真3点)

Republican Hype House(Conservative Hype Houseとは別の右派クリエイターのグループ)のメンバーで、11万5000人のフォロワーを持つAce Echolsさん(19)は、大統領が示唆したTikTokの利用禁止を「国益と安全のため」と正当化した。多くの専門家が主張しているように、今回の件は反中国感情に付け込もうとする大統領の思惑が原動力になっているとしても。オクラホマ州タルサの選挙集会で大々的に行われたチケットの買い占めや、ブラック・ライヴズ・マター(BLM)抗議活動の円滑化に対する報復行為として大統領はTikTokの利用を禁止しようとしているのでは、という左派活動家の考えに対し、Ace Echolsさんは概して否定的だ。

「今回の件で右派クリエイターのトランプ大統領に対する見方が変わったとは少しも思わない」とAce Echolsさんは述べ、11月の大統領選ではトランプ氏に投票するつもりだと言い添えた。

@americantruth

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♬ Falling - Trevor Daniel


見渡す限り、Z世代による政治的なコンテンツはTikTokにあふれている。Z世代が左寄りであることを理由に、こうしたコンテンツの多くは左寄りのものだった。その一方、右派クリエイターにはニッチを好むフォロワーが集まり、Conservative Hype HouseやRepublican Hype Houseといったグループに加わってお互いのコンテンツのプロモーションを図るといった動きもある、自らを保守派と名乗るのは、セルフプロモーションの観点では抜け目のない戦略である。なぜなら、インフルエンサーに憧れるこうした人々は、大多数の左寄りのインフルエンサーたちとの差別化が図れるから。

Translated by Shoko Natori

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