世界最大手イベント会社が決算発表 前年比98%減少「来夏ライブ開催復活を期待」

2014年4月16日、カリフォルニア州のロサンゼルス市庁舎の階段の前でMade in America Festivalの開催を発表する米ライブ・ネイション・エンタテイメントのマイケル・ラピノ最高経営責任者(CEO)兼社長(Photo by Paul A. Hebert/Invision/AP)

今なお厳しい状態が続くライブ・エンターテイメント業界。ライブプロモーション世界最大手の米ライブ・ネイションが2020年第2四半期の決算を発表し、コンサート、スポンサー契約、チケット販売において大幅な損失が生じたことを明かした。

ライブプロモーション世界最大手の米ライブ・ネイションが2020年第2四半期の決算を発表し、前年の同時期と比べて収益が98%減少したことを明かした。これにより、新型コロナのパンデミックによってライブ・エンターテイメント業界が被ったダメージの深刻さが浮き彫りになった。

4〜6月の第2四半期といえば、従来は音楽フェスのシーズンだ。メジャーアーティストにとっては夏のツアーの季節であり、ライブ・ネイションにとってはまさに繁忙期だ。だが、イベントの相次ぐ延期・中止によって同社は活動停止同然の状態に追い込まれてしまった。ライブ・ネイションのコンサート部門の前年の第2四半期の収益が約26億ドル(約2745億円)だったのに対し、今年の同時期の収益は1億4180万ドル(約149億円)——およそ95パーセントの減少だ。さらに同社は、チケット販売収益が8600万ドル(約90億円)減少したと発表。この原因として、チケット購入者を対象に行った払い戻しが挙げられる。それに対し、前年の第2四半期のチケット販売収益は3億7100万ドル(約391億円)アップしていた。

公演の相次ぐ延期や中止にもかかわらず、音楽ファンの86%がチケットの払い戻しではなく、振替公演に向けてチケットを取っておくという選択肢を選んだとライブ・ネイションは表明した。同社曰く、フェスに関しては3分の2の音楽ファンがフェスの振替公演のためにチケットを保有している。さらに同社は、2021年に予定している4000本のフェスとコンサートのおかげですでに1900万枚のチケットを販売したと付言した。

Withコロナ時代にライブ・エンターテイメントに近いものを提供しようと、ライブ・ネイションは新たな形のコンサートを模索してきた。同社が開催した「ドライブインコンサート」もそのひとつで、社会的距離が保てる環境においては一部のイベントが復活した。だが、こうしたイベントの収益は、通常であれば劇場、スタジアム、アリーナで行うイベントのそれとは比較にならないほど少ない。ライブ・ネイションは、こうしたイベントのセールスには言及しなかった。

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Translated by Shoko Natori

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