「子どもたちのデータを盗むな」集団訴訟起こしたTikTokユーザーの保護者たち

SOPA Images/LightRocket/Getty Images

20人以上の原告団(大半が未成年者のため、法定後見人が代理を務める)が、中国を拠点とするIT企業ByteDance社を親会社にもつTikTokに対し、新たな集団訴訟を起こした。第一報を報じたNPRも指摘しているように、この集団訴訟は過去1年間「個別に提訴された、類似の」裁判をまとめたものだ。

原告団に加わったアメリカ人家族らは、TikTokの重役が中国に拠点を置く監視システムソフトウェアを、ユーザーには知らせずにアプリに搭載し、「膨大な量の」個人情報やコンテンツを中国のサーバーに送信していたと考えている。さらに、問題のデータにアクセスした人物はアメリカ人ユーザーを「特定し、分析し、物理的・デジタルいずれの位置情報や活動も追跡することが可能になる」というのが原告の考えだ。

原告は、とくにプライベートな下書き動画――まだ公開も保存もされていない、初期の段階の投稿――を取り上げ、同アプリが事前の通知や本人の同意なく、こうした動画を「秘密裏に入手していた」と主張。さらにこうしたデータや情報をひそかに入手することで、TikTokは狙いを絞った広告を展開して顧客を拡大し、かつ/またはアプリの技術を向上して消費需要をあおり、顧客から不当に利益を得ているとも主張している。

昨年――ちょうど批判の声が上がり始めたころ――TikTokの顧問は2019年7月~10月の同社のコンピュータコードを検証し、「中国政府がTikTokのユーザー情報にアクセスしたことを示す証拠はなかった」と発表した。そのあと同社は、「弊社ではアメリカのユーザーのデータはすべてアメリカに、バックアップストレージはシンガポールに保存しています。弊社のデータセンターはすべて中国国外に設置され、いずれのデータも中国の法令には準拠しておりません」と述べた。

しかし2020年、集団訴訟の原告団はTikTokの公式声明が「入念に現在形で記述され、過去の行動には触れないよう細心の注意が払われている」と主張。中国にデータを保存していない、とあるだけで、中国に転送していないとは一言も書かれていない、と指摘する。

またTikTokの2019年版プライバシー・ポリシーを引き合いに出し、公開はされているものの「常識的な意味ではユーザーの目には触れられておらず」、文言は誤解を招き、改訂されることもしばしばだったと述べている。訴状によれば、実際に同ポリシーには「ユーザーの情報は、弊社が属する企業グループの親会社、子会社、またはその他関連会社と共有される場合があります」という記述があり、ByteDanceも該当しうる。

Translated by Akiko Kato

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