indigo la End、結成10周年記念公演で魅せた配信ライブの理想形

その後、夜の闇の中に光る会場が上空から映し出され、カメラが切り替わると、ステージ上にはメンバーが円形になって並び、1曲目「夜汽車は走る」からライブがスタートした。周りに緑の木々が見える会場には、セット上方から吊るされた細長い透明のビニールと紗幕がゆっくりと風に揺れ、メンバーの周りには様々な種類のランプが置かれている。さらには、スモークも焚かれていて、何とも幻想的な雰囲気の中、「はにかんでしまった夏」や「見せかけのラブソング」といった楽曲が演奏されて行く。


Photo by 永峰拓也

その後もパートごとに映像と歌詞のモノローグが挿入され、「鐘泣く命」からのパートでは色鮮やかなライティングとVJも加わり、「雫に恋して」ではミラーボールの光で「雫」を表現し、「煙恋」では再びスモークが焚かれたりと、歌詞になぞらえた演出も面白い。この日披露された中では最も古い曲で、インディーズ時代のアルバム『夜に魔法をかけられて』収録の「抱きしめて」は、ランプの明かりのみで演奏され、親密な雰囲気を作り出した。

シンプルな照明でストレートに届けられた「通り恋」に続き、「ラッパーの涙」からは映像自体にエフェクトがかけられて、サイケデリックな空間を演出。「心の実」のラストでは〈たまにはこんな歌詞も良いでしょ〉という歌詞に合わせて川谷絵音が一瞬だけカメラ目線になるなど、細かな仕掛けにもドキッとさせられる。色鮮やかな映像が続く中で、あえてモノクロにして雰囲気を変えた「悲しくなる前に」の演出も効果的だった。

Rolling Stone Japan 編集部

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