ブルース・ホーンズビーが語る名曲「The Way It Is」と65歳の新境地、レオン・ラッセルとの共演秘話

ブルース・ホーンズビー(Photo by Sarah Walor)


「The Way It Is」がヒップホップ界で愛された理由

ー2020年の夏は、「The Way It Is」が再び電波に乗ることとなりました。曲が使われたポロGの「Wishing for a Hero」についてどう思いますか?

ホーンズビー:とても気に入っている。2020年の初めに私のマネジメントへ連絡があり、「若いラッパーがバージニアへ飛んで、直接曲の使用許可をもらいたいらしい」と言われた。それで私は「楽曲を送ってくれ」と答えた。曲を聴いて素晴らしい、と思った。特に最後のゴスペルのコーラスは気に入った。とてもソウルフルだった。「奴らは夢のためにマーティンを殺した/俺は眠れぬ夜を過ごしている」という歌詞には心を打たれた。そこでポロGには「お金は節約しなさい。気に入った。使ってもいいよ」と答えたのさ。

自分で数えたことはないが、私の楽曲はヒップホップ・アーティストたちに17回使われたらしい。注目すべき作品もいくつかある。E-40の曲は良かった。メイス、スヌープ・ドッグ、そしてもちろん代表格は2パックの「Changes」だ。少なくとも私の中では、米国の人種問題に対する典型的なプロテストソングとして記憶に残ってきた。そしてもちろん、私の曲も同じテーマを扱っている。




ーご自身で各曲の使用許可を出さねばならないのでしょうか?

ホーンズビー:私自身が全てを把握しているのだと思っているかもしれない。でもレコーディングして世に出た曲は、誰がどのように利用してもいいと思っている。独自のバージョンで演奏しようがサンプリングしようが構わない。2パックの場合、彼が殺害されてから1年ほど経った頃、シャクール財団から1本のカセットが届いた。「このカセットには、2パックの膨大な量の遺作の中から発見された楽曲が録音されています。私たちはこの曲を、彼のグレイテスト・ヒッツ・パッケージのシングル曲としてリリースする計画です。権利の分配について交渉したいので、あなたにお知らせしておきたいと思いました」とのメッセージが付いていた。通常はこのように上手く行くものだ。

ー使用を拒否したことはありますか?

ホーンズビー:本当に気に入らなければ、相手が「OK、もういいです。別の曲をレコーディングします」と嫌がって尻込みするまで、根掘り葉掘り質問攻めにするだろう。しかし私は1度もノーと言ったことはない。ほとんどの曲はとても良かった。ダンスやEDMのバージョンなど少々躊躇するものもあるが、「OK、いいや。これも時代精神だ」と思い、許可している。

ーヒップホップ界の誰かに、なぜ「The Way It Is」のピアノパートがそんなにも受けるのか尋ねたことはありますか?

ホーンズビー:いや、ない。長年に渡りスパイク・リーと共同作業していたから、私に明確な答えを与えてくれるヒップホップ業界の誰かに出会っているだろう、と思うかもしれない。なぜ私の曲を使いたがるのか? 私も知りたいが、私にも答えがない。


1995年の映画『クロッカーズ』から、Netflixドラマシリーズ『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』、2018年の映画『ブラック・クランズマン』といった近作まで、ホーンズビーは多くのスパイク・リー作品に参加している。

ー自分なりの考えはあるでしょうか?

ホーンズビー:ひとつは、この曲が人種差別をテーマにしていること。だから曲のテーマと同じレベルへと人々を引きつけるんだと思う。もうひとつの可能性は、ドラムマシンが乗りやすいシンプルな曲だからだ。ドクター・ドレーほど迫力のあるサウンドではないし、ヒップホップのレコードのようなグレートなサウンドでもないが、感覚的にヒップホップに合うのだと思う。

私を有名にしてくれた曲だ。しかしソングライターとして、もっとディープでもっとグレートな曲も10〜15は作ったと思う。ロバート・ハンターと一緒に初めて作った「Cyclone」は、お気に入りのひとつだ。でも他の人間にとって、そんなことはどうでもいい。最悪だ!(笑)

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