米ジョージア大学がセーフセックスのガイドライン公開、学生は困惑

Photo by LIGHTFIELD STUDIOS/Adobe Stock

先日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対策を踏まえた「安全なセックス」に関するガイドラインを、米ジョージア大学がいくつか公表した。

対面接触やウイルス感染のリスク削減対策として、性行為中にマスクを着け、「趣向を凝らした体位」を取り入れるよう提案した。このガイドラインはたちまちインターネット上で嘲笑された。当のジョージア大学の学生たちも、彼らが言うところの大学のお粗末な授業再開計画も含め、ばかばかしくて的外れだと捉えた。

だが嘲笑の大半は、Daily Callerのような右派メディアやSupport Donald Trumpといったトランプ支持サイト、はたまたマット・ウォルシュ氏やベン・シャピロ氏など評論家たちによるものだった。

ジョージア大学の広報担当者は、地元の新聞アテネバナーヘラルド紙にこう語った。「ガイドラインの情報は、メイヨー・クリニック(全米優良病院ランキング1位に輝いた総合病院)をはじめとする全国複数の保健衛生サイトや医療サイトの文言に合致しておりました。しかしながら、ソーシャルメディアで嘲笑、揶揄、批判の的になったため、削除することにいたしました」

コロナ禍における「安全なセックス」に関する規制が右派メディア集団の餌食になったのは、今回が初めてではない。先月にはカナダのブリティッシュコロンビア州の疾病予防管理センターが、感染を防止するために「対面での密接を防ぎつつ、性的接触を可能とするような、壁のような仕切り(穴をあけた仕切り越しに行為をする)の使用」を提案し、大きな話題になった。性に対する左派の寛容な態度が行き過ぎた例だとして、Telegramの極右スレッドや反ワクチングループの間で取り沙汰された。カナダのとある右派のサイトは、「リベラルな政府」がカップルにグローリーホール(性行為に使用する壁にあけた穴)を勧めていると非難するキャプションに、口を半開きにしたジャスティン・トルドー首相の思わせぶりな画像を添えたミームを投稿した。

【画像】予防接種に疑問を唱える17人の「反ワクチン派」セレブリティ名鑑(写真)

もちろん全文を通して読めば、ブリティッシュコロンビア州の疾病予防センターがグローリーホールを使った安全なセックスを積極的に呼びかけていたわけではないのは明らかだ。むしろセックスの前後に手洗いをするとか、コンドームを使って体液との接触を制限するなど、リスク削減策の一例として挙げているに過ぎない。同じことはジョージア大学のガイドラインにも言えことで、セックスパートナーの人数を減らしてウイルスに接触する危険を減らすなど、常識の範囲で安全なセックス対策を呼びかけていた。だが、性行為中の仕切りやマスクの使用――COVID-19の感染経路やソーシャルディスタンス対策の効果についてわかっていることを踏まえれば当然至極だ――を勧めたこと自体が、保守派にはリベラル派の愚行の最たる例と映ったようだ。

Translated by Akiko Kato

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