Napsterが再起、ライブストリーミング会社と仕掛ける新しい試みとは?

急成長中のライブストリーミング・エコシステムにおいてもっとも頭角を現している会社MeolodyVR(Courtesy of MeolodyVR)

MeolodyVRは、急成長中のライブストリーミング・エコシステムにおいてもっとも頭角を現している会社のひとつだ。新型コロナウイルスのパンデミック中も、同社はポスト・マローン、ジョン・レジェンド、カリードといったアーティストのライブを配信し続けた。そんなMeolodyVRが、Napsterを買収した。

音楽著作権侵害時代の土壌を育み、有料ストリーミングサービスの到来前に音楽業界をデジタル時代へと急き立てたNapsterがまたもや新時代に突入しようとしている。先月、VR(仮想現実)でのライブやコンサートのストリーミングが楽しめる音楽アプリ「MelodyVR」を運営するロンドンのMelodyVRは、7000万ドル(約74億円)でNapsterを運営するRhapsody International Inc.を電撃買収したことを発表した。今回の買収によってMelodyVRは、録音された音楽とライブストリーミングが融合した新たな音楽体験の創出に期待を寄せている。

「ライブイベントであれ、アルバムであれ、私たちが他とはまったく違うと思える音楽コンテンツを消費者に提供したい」とMelodyVRのアンソニー・マチェットCEOは本誌に語った。「私たちは、これらをひとつのプラットフォームに統合したいと考えています。アーティストのコンサートを配信したり、ライブストリーミングを行なったりするかたわら、オーディエンスにアルバムのプレイリストを提供する——これができたら本当に素晴らしいだろうと私たちはずっと前から思い描いていました。これは、私たちが提供するサービスのほんの一部です」。

MeolodyVRは、急成長中のライブストリーミング・エコシステムにおいてもっとも頭角を現している会社のひとつだ。新型コロナウイルスのパンデミック中もポスト・マローン、ジョン・レジェンド、カリードといったアーティストのライブを配信し続けた同社は、コロナ禍でイベントが開催できないアーティストや、イベントに参加できないファンのあいだでストリーミングの需要が急増する状況を目の当たりにしてきた。本誌の取材の際に同社は、昨年の同じ時期と比べてコロナ禍中は10倍の本数のコンサートを配信し、アプリのダウンロード件数は1000パーセント増加したと7月に語っていた。新型コロナウイルス感染症が爆発的に広まり始めて以来、同社は社会的距離に配慮したイベントを開催できるようにとアーティスト向けのパフォーマンススタジオをロサンゼルスとロンドンに開設した。

Translated by Shoko Natori

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