錦戸亮と赤西仁が語る、「本気で楽しむこと」で切り開くエンタメの未来

アーティストとしてタイプは異なる両者の共通点とは?

愛器のフェンダーUSAを掻き鳴らしながら真摯に音楽を紡ぐ直球の錦戸。次から次へと新しいアプローチを取り入れて進化していく変化球の赤西。アーティストとしてタイプは異なる2人だが、その根底で通じるところはたくさんあるはずだ。

2010年、赤西のソロコンサートで初披露された曲が「Hey Girl」(『NO GOOD』の通常盤限定ボーナストラックとして収録)。この曲は錦戸と赤西の合作としてファンの間では知られているキャッチーな一曲だ。

「俺がトラックを作って、仁にこれに歌詞つけたら?って言ったら、自分で考えてきたんだよね。サクサク進んで」(錦戸)

「そうそう。俺もソロで音楽を始めたばっかりで、お互いに今できることをやろうみたいなノリでやったと思う。聴かせてもらって『いいじゃん、やろう』って。そこでクリエイティブを求めて言い合ってどうこうというのもなく」(赤西)

では今回のアルバム『NO GOOD』はどうだろうか。全体的な印象で言うと、赤西のトラックメイキングやアレンジといった「音楽を作る地力」みたいなものと、錦戸のヴォーカルやギターの旋律などに感じられるアーティスト性がうまく融合している。



表題曲でもあり、例のYouTube番組のテーマ曲で先行配信された「NO GOOD」はディスコの輝きと多幸感をうっすらと感じさせるもので、デュア・リパ、レディー・ガガ、ジェシー・ウェアなどの海外のポップシーンでも最近主流のディスコ・ミュージック回帰を連想させる。それ以外だと、レイヤーが折り重なった透明感のあるトラックや抑制されたビートなど、赤西が得意とするダンス・ミュージックの作法を下敷きにしつつ、錦戸の個性が存分に発揮されているのだ。



錦戸作「ラップダンス」のメロディのフックとクリアなギターのカッティング、「Not Bad」で聴ける浮遊感のあるサウンド。赤西の曲を錦戸がプロデュースし直した「Hey What’s Up?」も面白い。バンドアレンジが施され、原曲のきらびやかな印象とはまた異なる響きがある。

その一方でトロピカルハウス風味の「Kingdom」やR&Bテイストの「Blue」など、赤西のセンスが随所で炸裂しているのもニヤリとさせられる。頭2曲の「N/A Introduction」「Get Loose」は、これまでの赤西の曲にはなかったロック的なフィーリングが感じられて新鮮。このへんも錦戸&赤西のコラボレーションが生んだ賜物と言えるかもしれない。



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