―こういう世界観を持った曲は、これまでもありましたが、こういうアレンジの曲をキルズでやるところが新しいと思いました。そうだね。実は、ベースは憲太郎じゃないんだよね。この曲のベースライン、瞳ちゃんが考えたんだわ。瞳ちゃんもメロディメイカーでね。
―「送る歌」は小林さんがベースも弾いているんですね。そう。しかも、ドラムは打ち込みだからちょっと世界観が違うと感じるのかもね。インスト・アルバムを2人で作っていた流れでできて、キルズに入れようって話になったんだけど、2人しかいなかったもんだから。ベースラインになっているフレーズは元々、ギターだったんだよね。でも、それをベースでやろうよって話になって、「じゃあ、瞳ちゃん、そのままベースを弾けば」ってなったんだよ。
―SHALLOW WELLの『SPINNING MARGARET」でも小林さんは大活躍しているじゃないですか。そうなんだよね。
―クラシック・ギターも弾いているし、鍵盤も弾いているし、歌まで歌っているし。最初に出会った時から、彼女がそういう才能の持ち主だってご存じだったんですか?いや、ドラムオンリーの人だと思ってたよ。彼女は隠してましたね(笑)。
―どのタイミングで気づいたんですか?俺、鋭いから、まずコーラスがすごいと思ったよね。メロディを作るのがすごいなと思って、ひょっとしてギターも弾けるんじゃないかと思ったから、ギターを持ってきてもらって、「ちょっと合わせようか」って言ったらすげえうまいもんだから、どんどんバレていった。俺に(笑)。でも、俺が言わないとやらへんもんだから、もったいないじゃんね。才能があるのに何も出さないままってさ。だから、俺にとっても、彼女にとっても、世間にとっても良かったと思ってるけどね。
―そう思います。彼女のギターの伴奏で、ギターを弾くと、やけに気持ちがいいんだよね。不思議。彼女がメロディを弾くのもいいんだけど、彼女の伴奏は俺にとっては、何だろ、虹色のカーペットで空を飛んでいる感じかな(笑)。
―それは彼女のドラムに合わせて、歌ったり、ギターを弾いたりするのとはまた違う心地好さなんですか?ドラムもいいんだけど、ギターのほうが上かもしれん(笑)。それぐらいいい。いろいろなギターの人がいて、もちろん好きな人もいっぱいいるんだけど、瞳ちゃんにギターでライヴやってもらったらすごくいいだろうなって思うもんね。ドラムは違う人に叩いてもらって。
―なるほど。SHALLOW WELLのセルフライナーノーツでは、ライヴを想定した発言もありましたけど、ライブができるようになったら小林さんも一緒に?もちろん。