キース・リチャーズが現在の心境を語る「生涯現役は当たり前、ステージが俺たちの居場所」

隔離生活とステージへの想い

ーステージを恋しく思いますか?

キース:そうだね、本当は今頃ツアーに出てるはずだったしな。みんなそうだろうけど、何もかもが突然機能しなくなるなんて夢にも思わなかった。今はみんな、来年にはいろいろ動き出すだろうって考えてるんじゃないかな。そうじゃなきゃ、コンサートなんて一切開催できないんだからさ。

(2019年に行われた)前回のツアーはすごく楽しかったよ、最初から最後まで最高だった。それだけに、状況の深刻さがはっきりし始めた3月にはがっくりきた。その1週間後、最初の数公演だけ中止するっていう案が出た時に、俺はこう言ったんだ。「事態はきっと手がつけられなくなる。ツアーに出るのは無理だ」ってね。

ーこの状況下でどういったことに期待していますか?

キース:皆と同じように、優れたワクチンが一刻も早く生まれることを願ってるよ。政権の交代も起きて欲しいね(笑)。俺に言えるのはそれだけさ。

ーあなた方のコンサートに足を運ぶと、「彼らはなぜ活動を続けるんだろう? 欲しいものは全部手に入れただろうに」といった声も耳にします。あなたにとって、ステージに立つことの意義とは?

キース:さぁね、習慣みたいなもんだからな。ステージは俺たちの居場所なんだよ。その一方で、(ストーンズのメンバーは)最初に降りるのが誰かって皆考えてるはずさ。クビになるか脱落するか、そのどっちかしかない。この世界はそういうもんさ。他にすべきことなんて、何も思い浮かばないけどな。この道を進む以上、生涯現役っていうのが当たり前なんだよ。

ーステージ上で感じるアドレナリンや音楽への愛は、何物にも代えがたいのでしょうね。

キース:そうだな、来年にはみんなで集まれたらいいなって思ってるよ。もちろんマスクなしでな。着用の必要がなくなってることを祈るよ。今は寝る時でさえ着けてるけどな!

ーマスクは頻繁に着用していますか?

キース:外出するときはいつも着けてるよ。滅多に出ないけどさ。ごくたまにドライブに出かけて、カフェに寄るぐらいだよ。その時はバッチリ顔を覆ってる、そうすべきだからね。見た目なんてどうでもいいさ。時々これが現実だとは思えなくなるよ、まるで『不思議の国のアリス』の世界だもんな。

Translated by Masaaki Yoshida

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