17歳のYOSHIが語る、ロックの本質はファンビジネスではない

「一番好きなのはロック」

─裏原文化とか?

YOSHI:そう。裏原からUNDERCOVERとかNUMBER(N)INEとかパリコレに進出するようなブランドが出てきて一気に東京のファッションの熱が生まれていったんですよね。僕が普段遊んでる友だちは4、50代の人も多くて、当時のファッションカルチャーの面白い話とかよく聞かせてもらうんです。それで思うのは、今の原宿は一つの大きな商業施設みたいになってしまったんだなということ。90年代の原宿ってあそこだけ治外法権というか、独特のトゲがあったと思うんです。

音楽も含めて今の日本のカルチャーを見ているとそのトゲが少ないと思う。音楽にしても僕が好きなニルヴァーナとかリンキン・パークとか、もっと昔だとセックス・ピストルズや7 Secoondsとかはトゲだらけの魅力があると思うんですね。僕はヒップホップも好きなんだけど、一番好きなのはロックで、ロックってアーティストの魂が憑依したものだと思うんです。だから本質的なロックはトゲだらけだし、刺激的で。でも、そこでアーティストがファンビジネスに寄せてしまったら、アート自体が潰れちゃうと思う。それがすごくイヤで。

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今の日本の音楽シーンには特にそういうムードを強く感じるんです。日本人はもともと優れた職人気質が尊重される文化があるし、その技術とアーティストの魂が憑依したトゲが融合したらもっと面白い音楽シーンができていくんじゃないかと思っていて。あと、日本人は世界のどこよりも愛情深い国民性があると思うし、本当はインターネットでディスりあったりすることが似合わないと思うんです。もっと日本独自のカルチャーを作っていって、本質的なラブ&ピースを育んでいくことができると思う。だから、今の日本はもったいないと思うし、好きと思えない東京の街を変えていきたいと思うんです。

─そういうことは中高生のときから考えてましたか?

YOSHI:感じていたとは思います。誰とも共有してなかったですけど。学校でも先生としか話が合わなかったので。

─好きなファッションや音楽の感覚を共有できる同世代の友人はいなかった?

YOSHI:ほとんどいなかったです。みんなから気持ち悪いって言われていたので。「なんだ、おまえのファッション、やりすぎだろ」みたいな。でも、自分にとってそれは快感でもあったんです(笑)。もともと人に簡単に理解されたくないという気持ちが強いんですよね。

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