はっぴいえんど、遠藤賢司、金延幸子など「日本語フォーク/ロックの源流」名曲15選

ザ・ディランⅡ「プカプカ(みなみの不演不唱)」(1971年)


1969年、大塚まさじが大阪の難波で開店した喫茶店「ディラン」の常連だった西岡恭蔵、永井ようと大塚によって結成されたのがザ・ディラン。西岡の離脱後にザ・ディランⅡが発足、デビュー・シングルのB面に選ばれたのが西岡作の「プカプカ」だった。大塚は今年リリースしたライブ盤『ゾウさんのうた Live at 一会庵』でもこの曲を歌っている。原田芳雄、大槻ケンヂ、つじあやの、曽我部恵一、羊毛とおはな、ハナレグミなど多くのカバーが生まれスタンダード化。西岡の自演版も人気が高い。


ザ・ディランⅡ


はっぴいえんど「夏なんです」(1971年)

作詞:松本隆、作曲:細野晴臣で、細野がリード・ヴォーカルを取ったセカンド・アルバム『風街ろまん』収録曲。ジェイムス・テイラーやトム・ラッシュの唱法をお手本に、自身の声質に合った唱法を模索していた細野が、前作以上にシンガーとしての存在感を発揮。『HOSONO HOUSE』(73年)の到来を予感させる。洗練されたマジカルなコード進行、穏やかなヴォーカルが、真夏の『風街』を切り取った歌詞と見事に合致。前述のコンピ『Even A Tree Can Shed Tears』にも収録された。


金延幸子「時にまかせて」(1972年)

秘密結社○○教団、愚の一員としてURCからシングルをリリース後、ソロ活動を開始した金延は、大瀧詠一のプロデュースで71年にビクターのSFレーベルからシングル「時にまかせて/ほしのでんせつ」を発表。しかしポップ志向の大瀧と意見が合わず、金延のイメージとはかけ離れた仕上がりになったという。ファースト・アルバム『み空』は細野晴臣にプロデュースを委ね、「時にまかせて」もカントリー・ロック調に変身。『URCレコード読本』には金延自身による『み空』の全曲解説が掲載されている。


金延幸子

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