スレイヤーのケリー・キングが選ぶ、不滅のメタル・アルバム10作

スレイヤーのケリー・キング、2011年撮影(Photo by Gary Wolstenholme/Redferns)


ジューダス・プリースト『ステンド・クラス』(1978年)


俺が思うに、この作品はジューダス・プリースト史上最も完成度の高い作品だ。特に「ステンド・クラス」のイントロが大好きで、ロブ・ハルフォードはいつも変わらずお気に入りのシンガーだ。その次に好きなのがロニー・ジェイムス・ディオとブルース・ディッキンソンの順で、この3人の間にほとんど差はない。初期のレコードにも後期のレコードにもリフがたくさんあるが、彼らがその先に花開く「プリースト・サウンド」の種を見つけたのが、この『ステンド・クラス』で間違いないだろう。彼らのサウンドは少しずつ進化し続けたが、このアルバムのサウンドが『背信の門』や『運命の翼』よりも明らかにその後のプリーストらしい。この作品のサウンドには、それ以前よりも一体感があるように思える。

スレイヤーでは(『背信の門』収録の)「異端からの反撃」をカバーしたけど、その理由はこの曲が超ヘヴィなのにかなり曖昧だから。俺たちがカバーしたあと、この曲がスレイヤーの曲だと思っていた人がたくさんいた。でも、プリーストがプレイしたこの曲はギターが2本で、俺たちのよりも若干クリーンだった。それが『レイン・イン・ブラッド』でスレイヤーのサウンドの未来が決まったきっかけかもしれない。俺たちはあれ以来、基本的には同じサウンドだからな。




マーシフル・フェイト『Melissa』(1983年)


マーシフル・フェイトを忘れるところだった。レコード・コレクションを堀りながら「そうだよ、マーシフル・フェイトがいるじゃないか」ってなったよ。彼らのアルバム『Melissa』は彼らが自分たちのサウンドを見つけた作品だ。そして、彼らが今でも活動していたら、きっと同じサウンドだっただろう。ソングライティングも素晴らしい。マイケル・デナーとハンク・シャーマンのギター・デュオも大好きだね。それにキング・ダイアモンドの歌い方は完全に彼独自のもので、好き嫌いが分かれるヴォーカルだ。『Melissa』に欠点を見つけられる人なんてほとんどいないだろう。これはとても上手く作られた作品だからね。

(スレイヤーの)『ヘル・アウェイツ』がマーシフル・フェイトから影響を受けているのは明らかだ。それこそ、尺長の曲と1万回リフが変わるのでわかる。これは確実にマーシフル・フェイトからの影響だった。これと同じのが『Melissa』の「Into the Coven」と「Melissa」のイントロに入っているんだ。特に「Melissa」は聞くたびに、この曲が本当に悲しい曲なものだから、丸1日ずっと頭の中に残ってしまう。ずっと頭の中で歌ってしまうんだ。

実は、2015年にメイヘム・フェストでキング・ダイアモンドと一緒にステージに立って「Evil」を、そうだな、8公演くらいプレイした。あれは俺にとっては最高なんてもんじゃない喜びで、キングにとっても同じだった。あの状況に自分がいたってことが今でも考えられない。「あのキング・ダイアモンドだぜ。なんで俺が一緒にプレイしなきゃダメなんだ?」ってね。でもキングは一緒にやりたがった。10代の頃の俺に誰かが「お前、将来キング・ダイアモンドと一緒にマーシフル・フェイトの曲を演奏するぞ」と言っても、俺は「そんな嘘は言うんじゃねぇ」ってなるに違いない。『Melissa』の発売が(スレイヤーの)『ショー・ノー・マーシー』と同じ年だけど、彼らはその前から存在していた。俺は『Merciful Fate』というEPも持っている。俺にとって彼らは自分たちよりも大きな存在だったのさ。それに当時の俺はまだ10代で、影響を受けやすい年頃だった。ヒーローにどっぷり浸かるなんざ朝飯前だったよ。


Translated by Miki Nakayama

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