デビュー40周年佐野元春 1980年代前半の楽曲を振り返る



田家:改めてこの曲で2つのことについてお聴きしたいと思っているのですが、2つの言葉。"ガラスのジェネレーション"でイメージしたものと、"さよならレヴォリューション"という言葉で言おうとしたものについて伺いたいのですが。

佐野:意味よりも最初にライミングだよね。当時はライミングは一般的じゃなかった。「アンジェリーナ」の"今晩誰かの車が来るまで闇にくるまっているだけ"とか、"ガラスのジェネレーション、さよならレヴォリューション"とか。意味よりも響きに注目した。

田家:上の世代と僕らは違うという世代観は、子供の頃からおありになったんですか?

佐野:上の世代が作った音楽や本を読んで、共感したり反発しながら育った。そこから世代観の違いを意識するようになりました。

田家:「さよならレヴォリューション」というのは、上の世代に向けてという大きな意味があったわけでもなく?

佐野:それもあったかもね。これからは自分たちの時代だっていう、粋がりもあったと思う。

田家:あなたたちが口にしたレヴォリューションってのは形にならなかったじゃないかっていうこともあったでしょうし(笑)。

佐野:そうだね、レヴォリューションは外に求めてる物じゃなくて、内側に求めるものじゃないかって言いたかった。

田家:なるほど。ロックミュージックの成長っていうのは当時からテーマとしておありだったんですか?

佐野:成長というのはロックンロール音楽の主要なテーマの一つだ。

田家:でもこの「ガラスのジェネレーション」を歌わない時期もありましたよね。

佐野:自分が大人になった時に、ちょっと歌いづらいなっていう時期はあったよ。

田家:今はそう思っていらっしゃらない?

佐野:今は客観的に見られる。80年代の誰か他人が作ったパワーポップを聴いてる感じ。

田家:では、この曲はどうなんでしょう? 1982年5月発売になった3枚目のアルバム『SOMEDAY』のタイトル曲「SOMEDAY」。

Rolling Stone Japan 編集部

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