ボン・ジョヴィ、オジー、エアロに愛されたロック写真家が語る思い出の一枚

メイクの力を示したディー・スナイダーの写真

●トゥイステッド・シスターのディー・スナイダー(1985年)
【画像】マーク・ワイスが撮った伝説の写真たち(ギャラリー13点)
Photo by Mark Weiss/Courtesy of Insight Editions

俺は彼らのアルバム『ステイ・ハングリー』の写真を撮ってて、これはその次のアルバム『カム・アウト・アンド・プレイ』用のセッションの時に撮ったやつだね。結局インナースリーブに使われたんだ。左右で肌の色が違うけど、実際の彼の肌はタトゥーがある右腕の部分みたいな色だ。コントラストを際立たせるために、右半分の肌だけ白く塗ったんだ。右半分はメイクをした自分、もう片方は素の自分ってわけさ。変わった写真を撮りたいっていうのが彼らの希望だったんだ。今見るとちょっと奇妙だけど、左右で異なるペルソナがそれぞれの時間を生きてるように感じられる。メイクの力を示した一枚だね。


●メタリカ(1986年)
【画像】マーク・ワイスが撮った伝説の写真たち(ギャラリー13点)
Photo by Mark Weiss/Courtesy of Insight Editions

彼らがオジーとツアーを回っていた時にバックステージで撮った1枚。当時彼らはものすごく勢いづいていて、毎晩オーディエンスを熱狂させてた。アリーナを満員にするのは時間の問題だって、彼ら自身自覚してたはずさ。俺は自分がオジーのフォトグラファーであることを伝え、以降数週間行動を共にするからよろしくと挨拶した。雑誌用に写真を撮らせてくれないかと頼んだら、彼らは快諾してくれた。汗だくの写真が欲しかったから、ショーの直後に撮らせてもらった。全員集めるのにちょっと手間取ったけどね。この写真の魅力は、何と言ってもクリフ(・バートン/バンドのベーシストで同年後半に逝去)の足元に尽きるね。それがストーリーを物語ってるし、笑顔もいい感じだ。彼は写真を撮られるのが苦手だったけど、すごくいいやつで協力的だったよ。


●ガンズ・アンド・ローゼズ(1987年)
【画像】マーク・ワイスが撮った伝説の写真たち(ギャラリー13点)
Photo by Mark Weiss/Courtesy of Insight Editions

CBGBはニューヨークの象徴であり、パンクシーンの聖地だった。バンドマンは皆そのステージに立ちたがったし、あのコミュニティの住人になりたいと思ってた。ガンズ・アンド・ローゼズが『アペタイト・フォー・ディストラクション』で注目を集め始めた時、彼らはRitzでのショーと写真撮影のためにニューヨークに来た。CBGBでアコースティックライブとサイン会をやることになってた彼らは、一緒に来いよと俺を誘ってくれた。ショーはすごく生々しかったね。完全アコースティックで、ステージじゃなくてフロアの端にあるガードレール付きの見物台で演奏したんだ。フォトグラファー泣かせのシチュエーションだったけど、あれはそういうイベントだったんだ。あんなショーは世にも稀だろうね、まさに歴史の1ページさ。

ショーの後に適当に飲んでた時、全員が揃った写真を撮らせてもらうことにした。皆協力的だったからやりやすかったよ。スラッシュは途中でふざけ始めて、日よけにぶら下がってた。一緒にいて楽しかったし、すごく印象に残ってる1枚だね。

Translated by Masaaki Yoshida

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