SUGIZOが今だから語る、仲間たちとの出会いと「ライブアルバム」にこだわった理由

SUGIZO『SUGIZO 聖誕半世紀祭~HALF CENTURY ANNIVERSARY FES.~』(Photo by Keiko Tanabe)



SUGIZOがテクノ・トランスシーンで得たこととは?

-それでその後、世界的なテクノ・トランスユニットJUNO REACTORのギタリストとしても活動されるようになったわけですよね。

いろんな関係や状況が重なって僕に白羽の矢が立ったんですけど、自分にとってすごく大きなステップになりましたね。いわば、テクノ・トランスシーンの総本山ですから。もちろん、周りにもすごいミュージシャンがゴロゴロいて、そこから10年くらいはJUNOで修行をしてきた感じでした。



-具体的に、そこでどんなことを会得したのでしょうか。

4分打ちの真の魅力というのかな。BPM130~145くらいで4分打ちのアッパーなサウンドによって細胞が振動して、本能がすごく掻き立てられる感覚というか。電子音楽なんだけど、とても原始的な、オーガニックな香りがする……言葉では上手く言えないけど、世界中をツアーしながら会得してきたのは、本能的な部分が一番大きかったように思います。 “これは気持ちいい”とか、“これは腹にくる”、“これは踊れる・踊れない”っていうのが全身で分かるようになりました。

それと同時に、精神的な部分での成長もあって。長年JUNOには南アフリカのパーカッションチーム、Amampondoがメンバーとして存在していたのですが、その中にMabiという素晴らしい伝説的なパーカッショニストがいて、彼はマイルスのバンドにも在籍していたブラック・グルーヴのオリジネイターの1人であり、その権化のような人。そんな人が白人が始めたテクノ・トランスの総本山と一緒にやっているという、その時点で国境やジャンルや種族を超えた地球規模のミクスチャーが起きていて、めちゃくちゃ学んでる感覚があったんですね。それで、ある時「MABIのグルーヴは本当に子どもの頃から憧れで最高だ」って言ったんです。そうしたら、「いやいやSUGIZO、お前のグルーヴは最高だ。俺は出せない東洋のグルーヴだ。羨ましい」って。それで目からウロコが落ちましたね。黒人のグルーヴを手に入れたくてさんざん鍛錬を積んで分析をしてきたけど、結局本物にはなれなくて敗北感やコンプレックスを抱いていたのが、その瞬間にパッと無くなったんです。Mabiが叩いただけで大地が揺れるくらいすごい才能を持っているのに、東洋人の僕に対して羨望の眼差しを持ってくれている。その事実に “自分のままでいいんだ”ということをものすごく実感しました。それ以降は、もちろん黒人や白人の音楽に対する憧れはあるけれど、我々東洋人の強さ、良さを堂々と誇れるようになって、初めて対等に音を出せるようになった。

そこから10年以上経ちますけど、それは今も変わらないですね。日本人であるということをすごく誇りに思っているし、そこで自分が学んできた音楽性や精神性は、この十数年の自分のソロ音楽に反映されているはずです。

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