10-FEETが明かす、寂しさや悲しさを乗り越えたくなる「歌」の力

―作ってみた結果、そうなった、と?

TAKUMA:そうですね。数年前から、10-FEETとして、いい曲とか、おもしろい曲とか作るにあたって、やっぱり自分がうまくなったり、要素が増えたり、成長したりせんと変わっていかへんなっていうのを思っていて。変わらなくてもできる新しいこともあるっちゃあるけど、何か今までと同じ取り組みやったら、超えられる気があんまりしなくなったんですよ。ネタ切れではないけど、えぇ! って驚くようなおもしろい曲、名曲っていうのを、自分のその先にあんまり感じられんようになった時期があったんですよね。その時に、じゃあ、いろいろな音楽を聴いて、音楽を勉強しましょうってなってからだいぶ変わって。それを経てのこの数年だったんですけど、今さらのように、そもそも10-FEETの曲を作ろうとしている時点で、新しいものを作る心構えとしてちょっと凝り固まっているかもって思って、10-FEETとしての曲作りみたいなことをやめたんです。



―なるほど。

TAKUMA:それから1日1曲、たまに5曲作るようになった時期があったんです。何でもいいからとにかく作ろうってぐわーってやった時期があって。今思えば、何曲かはほんまに10-FEETではできひんなっていうのもありましたけど、全体的には10-FEET属性やなっていうのを今思えば、感じていて。それで、さらにこの2、3年、10-FEETだったらできひんなって曲を作ろうって、まず視点をそこに向けたんです。しかも、たまたまここ数年、僕、弾き語りでライブをやるようになったこともあって、弾き語り用の曲作りもしとったんですよ。その中で違いを見せようと弾き語りの曲を作り続けていたら、ボキャブラリーが増えたというよりかは、ひきだしがあったけど、開けへんかったとか、あと、このひきだしは開けてもしゃあないなみたいなところも開けて、生かせるようになってきたというか。そこでコツが自然と掴めてきて。そしたら全体的に制作する頭が柔らかくなったり、視野もめちゃ広くなったりして、10-FEETの良さ、おもしろさも俯瞰で見られるようにもなって、何も考えずに曲を作ることの感覚も育ってきたんですよね。その中でまた5、6曲作った中からの今回の曲なんですけど、ネタができた時に、それぞれにバラバラの曲だったんですけど、とりあえず候補曲を何曲か挙げて、やってみようぜってやった時に……。

―やった時に?

TAKUMA:ええ感じやったんですよ(笑)。それで、うわ、すごいと思ったんです。しかも、10-FEETがやってそうでやってなかった、プラス似合ってたっていうことに、すごくおおっと思ったんです。京都MUSEってライブハウスを借りて練習や作曲をやってたんですけど、その時のがーんって弾いて、歌った時の目の前にマイクがあって、ホールがあってという景色が焼き付いてますもん。ほんまに、うわっと思ったんですよ。

―NAOKIさんとKOUICHIさんは、やってそうでやっていなかった曲に、どんなふうにアプローチしていったんですか?

KOUICHI:何パターンか考えてレコーディングには臨みましたけど、シンプルなんで感じるままにやったかな。

NAOKI:僕はけっこういろいろ試しました。ある程度、骨組みができあがったあと、ベースで、より曲を切なくしたいと思って、いろいろなフレーズを試した結果、一番、一緒に曲を盛り上げる今のフレーズに辿りつきました。

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