オアシス「ワンダーウォール」25周年 「ロックの時代」最後のスタンダード曲を振り返る

「最後の時代」のスタンダード

現在52歳のプロデューサーのモリスは、あの曲と『モーニング・グローリー』の印税のおかげで引退し、現在はコスタリカでつつがなく暮らしている。ソニー/ATVは「ワンダーウォール」の具体的な印税額を公表していないが、最近ではビートルズを題材にしたファンタジー映画『イエスタデイ』や、現在放映中のルノーのCM、TVシリーズ『Rosewell, New Mexico』にも使われている。作曲したノエルは相当な額の印税を手にしている、とリアムは明かした。「俺には一銭も入ってこないんだぜ。だから俺は今も貧乏暮らしさ。版権とは無縁だからな。俺にもあれだけの金が入ってれば、あいつみたいな嫌な奴になってただろうね」

ラッセルにとって「ワンダーウォール」は、初期のころステージ上で繰り広げられたギャラガー兄弟の口論と同じくらいぶっとんだ、桁はずれの音楽ビジネスの様相をまざまざと思い起こさせる。当時、この曲を収録した『モーニング・グローリー』は全世界で2500万枚のペースで売れている、と言われていた。今では考えられないような数字だ。

「あの当時、あちこちから降ってくるお金は想像を絶していましたね」とラッセル。「あれほどのセールスを上げる人はもう現れないでしょう。アデルもコールドプレイも素晴らしいアーティストだし、ビッグスターですが、彼らでさえもオアシスのようにミリオンセラーを連発することはないでしょう。あんなことはどんな時代、どんな場所、どんな瞬間でも二度と起きないと思います。あの曲は100%間違いなく、確実に、オアシスの中でも最大の1曲でした」

「ワンダーウォール」は、ロックの時代と呼ばれたころの最後のスタンダードに挙げられるだろう。90年代中盤以降、ビートルズの「イエスタデイ」やボブ・ディランの「フォーエバー・ヤング」、レナード・コーエンの「ハレルヤ」といった初期の名作のように、有名アーティストがこぞってカバーするロック出身の作品は――ボブ・ディランの「メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ」を含め――ごく一部に限られてしまった。「ワンダーウォール」は間違いなくそうした曲の仲間入りを果たした。

リアムも、「ワンダーウォール」はある程度の地位に到達したと考えている。「あんたの言いたいことはわかるよ――あの曲はたしかに、大人連中の間で定着したな」と彼も譲歩する。「おかしいのは、いまだに俺はあの曲をギターで弾けないってことさ。たぶん、超簡単な部類に入るんだろうけど。パーティで『演奏してくれ』って言われると、『あんたが弾けばいいだろ』って言い返すんだ」


From Rolling Stone US.




オアシス
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輸入盤・日本語帯付き
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※ソニー・ミュージックショップ、タワーレコード、HMVほか輸入盤取扱店にて
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Translated by Akiko Kato

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