INORANが語る「ブルース」の真意

ギターだけが「特別枠」というわけではない

―コロナ禍と並行して制作をしたということでしたが、具体的にはいつ頃から制作を始めたのですか?

最初の曲を作ったのは、2月の終わりか3月の初めです。で、このアルバム10曲入りなんですけど、さっき言った記録じゃないですけど、制作した順番に曲を収録しているんです。

―で、1曲目の作られたのが2月の終わりころというと……。

LUNA SEAのツアーが延期になって、もう自分に対してのコロナの脅威は迫っていたし、イタリアやイギリスの友達が、ロックダウン一週目とか二週目に入っていて、どうなっちゃうんだろうっていう感じの時ですね。

―そのあとどれぐらいのペースで曲を作ったのですか?

3日に1曲くらいのペースです。

―そのぺースで行くとラストの曲=10曲目の「Dirty World」を作ったのは……。

計算してください(笑)。3日に1曲で10曲なので30日なので、4月の頭ぐらいです。ちょうど東京の非常事態宣言が出る前ですね。

―リアルにその1カ月の記録なんですね。

そうですね。なので、その時の状況を思い出して聴いてもらうのも面白いかもしれませんね。

―「Dirty World」を作っているときはどんな感覚でしたか?

「この春休み、どこまで続くんだろう?」っていう感じでしたね。やっぱりいろんなことを考えたし、腑に落ちないこともあったし、考えても答えが出ないものもたくさんありました。曲作りだけに没頭していたわけではないので。だけどミュージシャンだから、このまま何もしなかったら無職なんですよ。無収入だし。再開した時のために、準備はしておかなきゃいけないと思うんです。棋士の藤井聡太さんはコロナの間にすごく研究をしてレベルアップしたって話も聞きますし。差が出てきますよね。別に勝ち負けじゃないけど、よし来た!って時にフルスロットルで行けるように準備はしておきたいなって。それが曲作りでもあるし。もちろんみんなの生きがいを作るのも止めないっていうのも目的でもあるし。



―一人でのレコーディングなので、アレンジも自由というか大胆ですよね。例えば、1曲目の「Don’t Bring Me Down」もギター始まりではないです。この辺は狙っていったんですか?

全然狙っていってないですよ。曲が浮かんで、曲を作っていって、ギターを弾きたい時はギターを弾くし、ギターがいらないっていうかギターを忘れている曲もある。作っている曲やその時によりますね。



―楽器ありきではなく?

うん。ギターだけ特別枠ではないってことです、僕の中では。ベースレスの曲もあるし。「Libertine Dreams」はベースレスです。

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