INORANが語る「ブルース」の真意

情熱は日に日に増している

―(笑)。今作に戻ると、どこか1stアルバム『想』と被るところがあるような気がしますが本人的にはいかがですか?

今回マスタリングはニューヨークのマスタリング・スタジオ“STERLING SOUND”のランディ・メリルがやってくれたんですよ。『想』もSTERLING SOUNDにマスタリングをお願いしてて。なのでそこに戻ったのもすごい偶然で、すごい巡り合わせだなと思いましたね。

―作りながら『想』を意識したことは?

それは全然ないなぁ。そもそも考え方が違いますかね。昔はサンプラーだったし。まあでも夢は変わんないわけじゃん? 結局、情熱だよね。パッションだと思う。

―1stアルバムの頃と比べて情熱はどうですか?

日に日に増してるはずです。生意気を言わしてもらうと背負うものが違い過ぎるから、昔と。そこは無下にできないですからね。

―背負うものというのは?

繋がっている人、自分を生かしてくれた歴史……全然違うよね。それを無下にできないですよ。だからこそ純粋に、そしてそれらを忘れずに、情熱を絶やさずに音楽人として生きていくために生きるようになりましたよね。

―9月29日で50歳ですもんね?

ねえ!

―その9月29日には初の無観客配信ライブがありますが(取材はライブ前に実施されたもの)、無観客はどう思いますか? お客さんがいないとやり難いという人もいますが、『MUSIC AID FEST. 〜FOR POST PANDEMIC〜』にも出演していた佐藤タイジさんは、シアターブルックのライブを無観客配信した後、「俺、客いるかいないかは関係ないわ」
って言ってました。

僕もこの間タイジさんとセッションしたんだけど、関係ないっていうのも何か分かる気がしたなぁ。お客さんがいないとやり難いという考え方が悪いわけじゃないけど、僕はタイジさんの考えの方に行かなきゃいけないと思っています。タイジさんの熱量半端ないし。もちろん会場にいるファンの熱量を加えたらとんでもない熱量になると思うけど、熱量を自分で最大限に起こしていかないとダメだと思う。結局、タイジさんは楽しんでいるってことなんだと思うんです。どんな状況であろうと楽しんでいる。それって音楽の根幹にあるものだと思う。その辺は僕もすごく賛同するところで、自分もそういうふうなパフォーマンスができると信じています。もちろん、そこにオーディエンがいてくれたらなおさらいいですけどね。

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