リンキン・パーク『ハイブリッド・セオリー』20周年記念盤、メンバーが語る名盤の舞台裏

左からリンキン・パークのチェスター・ベニントン(Vo)とマイク・シノダ(Vo)。2001年撮影(Photo by Mick Hutson/Redferns)

2000年10月にリリースされた『ハイブリッド・セオリー』は21世紀史上最も売れたデビューアルバムであり、ヘヴィ・ロック、オルタナティブ・ロック、ヒップホップ、エレクトロニックといった様々なジャンルの要素が混在し、音楽の新しいジャンルを世に送り出した革新的な作品となった。

2020年9月29日、『ハイブリッド・セオリー』の20周年記念を祝うオンライン世界記者会見が行われた。

アメリカ、イギリス、オーストラリア、フランス、スペイン、ポルトガル、メキシコ、香港、タイ、そして日本など、世界各国のジャーナリストが各自1問ずつ、順番に質問。その多くが質問をする前に『ハイブリッド・セオリー』に大きな影響を受けたことを語り、この名盤の20周年をバンド(休暇中のロブ・ボードン以外の全員)とともに祝福した。

司会者はMTVの『ヘッドバンガーズ・ボール』と『120ミニッツ』のVJとして人気だったマット・ピンフィールド。終始楽しげな祝賀ムードの中、興味深いエピソードや故チェスター・ベニントン(Vo)の思い出が語られた貴重な会見だった。

—このアルバムには巨大な遺産がありますね。歴史上最も売れたアルバムの一つですし、何千万人もの人々の人生に影響を与えました。ロックだけでなく音楽シーン全体に影響を与え、今聴いても、このアルバムの楽曲は最高です。このアルバムで、あなた方が最も誇りに思っている部分は何ですか?

ブラッド・デルソン(Gt):このアルバムの長寿だね。アルバムを作っていた時の目標が、タイムレスなアルバムを作るっていうものだったから。ピンク・フロイドとかレッド・ツェッペリンとか、ナイン・インチ・ネイルズ、ガンズ・アンド・ローゼズ、メタリカとかの、俺達をインスパイアし、影響を与えたアルバムのようにね。作られた当時に共感を呼んで、しかも何十年後にも影響を与え続けている。当時このアルバムを体験して、それからずっと俺達と一緒に体験してきた人達にとって今も重要な作品である上に、ギターを初めて手にしたキッズが、「ペイパーカット」のギターを学んでるとかって、信じられないよ。このアルバムが今も今日的であり続けているのは、俺達が望んでいたことではあるけど、一度も期待も予想もしていなかった。



フェニックス(Ba):それに付け加えると、数日前に友達と話していて気づいたんだけど、僕達は『ハイブリッド・セオリー』でバンドを軌道に乗せたわけだけど、その多くは、バンドとして僕達が何をするかを探る道で、そこから僕達は自分達の意見や信念を守るようになったんだ。決してカップケーキやユニコーンやレインボーやおとぎ話で一杯の道ではなかった。僕達は沢山「ノー」と言われたし、立場が上の多くの人達から、やってることを変えろとか、あるメンバーがやってることを変えろとか、いろいろと言われてた。そのプロセスの中で、僕達は僕達がどんな風に何をやりたいか、やりたくないかを見つけていった。そしてありがたいことに、自分達の信念に従うことが結果的に成功したんだ。ものすごくね。だから『ハイブリッド・セオリー』が作った軌道は、僕達自身を信じて僕達自身に賭けるってことで、僕達6人で前に進む上で、どんな風に仕事をしていきたいかっていう素晴らしい青写真になったんだ。そしてもし僕達がやりたくないことなら、それは試みる価値がないんだって考えるようになった。

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