エディ・ヴァン・ヘイレンはなぜ偉大なのか? 天才ギタリストが音楽界を席巻した6つの理由

3. 職人業はギターの領域に止まらなかった

「サンシャイン・ラブ」のような楽曲で聴ける、いわゆる“ウーマントーン”を開発したエリック・クラプトンを擁したクリームの大ファンであれば、エディ自身は“ブラウンな音”と称するサウンドに狙いを定めていた。先のフランケンストラトの音を1968年型のマーシャルのスーパーリードアンプを通じて出し、ソロにハイエンドを加味するためのMXRのフェイズ90と、それからエコーとを繋いで、彼はこの音を実現した。ことアンプの調整に関しては彼は些細な嘘をついており、同じ事をしようと試みた数多のアマチュアたちの機械をダメにさせてしまったりといったこともあるにはあったのだけれど、実際に彼が使用していたのは可変AC変圧器(ヴァリアック)だった。アンプに通る電流の電圧を変えられる電子機器である。これによってアンプは通常よりも低い電圧で稼働することになるから、音量の調節の方はほかの機械でやっていた。これらが全部組み合わさることで、あの、儚くもなお切り込むような、かつ温かみを残した響きが生み出されていたのである。


Translated by Takuya Asakura

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE