ジョン・レノンとオノ・ヨーコの展覧会開幕、鑑賞前に知っておくべきエピソード

1969年ベッド・インの再現(Photo by Shintaro Yamanaka(Qsyum!))

ジョン・レノンとオノ・ヨーコが歩んだヒストリーを、彼ら自身の言葉や作品、貴重な展示品などでめぐるエキシビション『DOUBLE FANTASY – John & Yoko』東京展が、2020年10月9日より東京・六本木ミュージアムにて開催中だ。

本展は、2018年5月から2019年11月まで、ジョンの故郷である英国リヴァプールにて開催されていた大規模な展覧会。ヨーコ自身も深く関わり、彼女自身のプライベート・コレクションからの貴重な品々を含めた100点以上が展示されている。

今更ジョンとヨーコのストーリーについて、説明する必要などないのかも知れない。が、本展を鑑賞する上で知っておくとより理解が深まるエピソードを、いくつか最初に紹介しておこうと思う。

1940年生まれのジョン・レノンと1933年生まれのオノ・ヨーコが出会ったのは、1966年11月7日。当時、ニューヨークを拠点とする前衛芸術運動「フルクサス」の一員だったヨーコによる、ロンドンはインディカ・ギャラリーでの個展『未完成の絵画とオブジェ』の開催前日に、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のレコーディングを間近に控えるジョンが、ふらりと訪れたことが始まりと言われている。そこに展示されていたヨーコの作品「天井の絵」の、ポジティブなメッセージにいたく感銘を受けたジョンは、次第にヨーコに惹かれていく。

「僕は、女性芸術家と出会って恋に落ちるという夢がずっとあったんだ。アート・スクールに通っていた頃からね。彼女と出会って話してみると、彼女は僕の知ってることを何でもお見通しだって気付いた」(1984年、「Penthouse誌」に掲載されたインタビューより)

当時ジョンには妻シンシアと息子のジュリアンが、ヨーコには映像作家アンソニー・コックスと娘のキョーコがいたが、数年の交際を経て2人は結婚。1969年にジブラルタルで式を挙げ、新婚旅行で訪れたアムステルダムとモントリオールではヴェトナム戦争に抗議するパフォーマンス、「ベッド・イン」を行い大きな話題となる。以降も2人がオールヌードとなったアヴァンギャルドなレコード『Two Virgin』(1968年)をリリースしたり、「War Is Over (If You Want it)」(1971年)の街頭広告を行ったりと、自身の知名度を使ったメッセージ発信によって賛否両論を巻き起こした。さらに、ニューヨークに移住してからの2人は過激派のアクティビストらとも知り合い、政治運動に拘泥していく。当時のニクソン政権から「監視」の対象とされていたのも有名な話だ。

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