トーキング・ヘッズ『リメイン・イン・ライト』誕生の裏にあった「不仲」と「再発明」

トーキング・ヘッズ(Photo by Luciano Viti/Getty Images)


名曲「Once in a Lifetime」とメンバー不和

このような作り方はとてもトップ40に入るようなラジオヒットに結びつきそうになかったが、しかし彼らはその過程で「Once in a Lifetime」につながるグルーヴに出くわした。この曲は1年後にはトーキング・ヘッズをMTV世代に出会わせることになり、いまだ彼らの代表曲のひとつでありつづけている。

「妙なことだけれど、たぶん、僕はヴァースの歌詞がそんなに印象的だったとはあまり思ってない」。バーンが2017年にこう語り、楽曲の魅力を説明しようとした。「しかし、そうだね、“あなたは自分に問いかけるだろう”(You may ask yourself’)の反復と“僕はどうやってここまで来たんだ?”(How did I get here?)はたしかにみんなの心を打っただろうし、とても印象的なものになった。このフレーズは実際、なにか普遍的な感覚や関心に語りかけたみたいだった」



コンパス・ポイントでのセッションを終えると、バンドはニューヨークシティに向かい、キング・クリムゾンのギタリストであるエイドリアン・ブリューとバッキング・ヴォーカルを担当するノーナ・ヘンドリクスがオーバーダブのために待つスタジオへやってきた。バンドは当初、全員を平等にクレジットすることで同意していた。楽曲はフリーフォームなジャムから生まれたものだったからだ。しかし、フランツ、ウェイマス、そしてギタリストのジェリー・ハリソンが発売前の盤を受け取ったとき、そこに「作詞作曲:デヴィッド・バーン、ブライアン・イーノ、トーキング・ヘッズ」とあるのを読んですくみあがった。

「また僕らはデヴィッド・バーンに嘘をつかれた。リスナーも同じだ」とフランツは書いている。「これは特に傷つくものだった。なぜなら僕らのこだわりや愛、そしてミュージシャンシップなしに『Remain in Light』は完成しえなかったのだから」

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From Rolling Stone US.

Translated by imdkm

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