スティーヴ・ヴァイが今こそ明かす、エディ・ヴァン・ヘイレンとの友情秘話

エディから何を与えてもらったのか?

彼はなぜ作品をリリースしなくなったのか? それは俺にも分からない。だがあえて答えるとすれば、俺自身も時がたつにつれて抱える仕事量が増えていったことを考えれば、彼もつねに忙しくしつつ、他のことに興味が移ったんじゃないだろうか。それに、病気とも戦っていただろうしね。

そういう噂は何年も前から聞いていた。みんな(彼が病気だということは)10年前から知っていて、俺も10年間、危なっかしい経験をしていた。最後のほうは――かなり重症だという話を聞いたとき――知人と話をした。状態は重く、それから少し良くなった。

とはいえ、俺たちはみんな違う生活を送っていて、交流もまばらだった。俺も彼には7年間ほど合わずじまいだった。最後に会ったのは数年前、モーターヘッドのコンサートのバックステージだ。彼は顔色があまり良くなく、具合もあまりよくない時期だった。それでも、例の笑顔は健在だった。

俺たちは何を失ったのか? 何を与えてもらったのか、と言う風に考えてみたい。この世はすべて諸行無常、やってきては過ぎていく。この先のことは分からない。わかったとしても、今までやってきたことと変わらない。彼が残した功績について語ろうじゃないか。だって、あれは記念碑ものだ。数年前に君たちとインタビューしたとき、ロックの革命児について聞かれた。俺はとっさに、ロックギターではヘンドリックスとヴァン・ヘイレンと答えた。大勢のギタリストが現れて功績を残していったが、この2人は演奏法だけじゃなく、音楽の作り方、ステージ上での見せ方や立ち居振る舞いをがらりと変えた。数え上げればまだまだある。彼はそうした伝説のひとつだと、俺は固く信じている。

ギタリストコミュニティ全体に走った衝撃や悲しみは、俺もひしひしと感じている。ただこれだけは言いたい、彼が残してくれたもの、真の贈り物に目を向けようじゃないか。彼は素晴らしい才能の持ち主だった。

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From Rolling Stone US.

Translated by Akiko Kato

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