Koji Nakamuraが人生を通して追求し続ける、サウンドへのこだわり

Koji Nakamura

長年にわたって芸術の分野で表現し続ける者たち。本業も趣味も自分流のスタイルで楽しむ、そんな彼らの「大人のこだわり」にフォーカスしたRolling Stone Japanの連載。学生時代にノイズをテープに録音していた少年が、スーパーカーでのバンド活動を経て、現在も様々なプロジェクトやソロ活動を通じて自身の音への探究を続けている。終始自分のペースでサウンドの深部を追い求めるKoji Nakamuraの活動に迫る。

Coffee & Cigarettes | Koji Nakamura

自身が生み出すアンビエントでノイジーなサウンドに全神経を集中させる佇まいからは、音への並々ならぬこだわりが感じられる。

CUBE六本木にて40名限定の2部制で行われたインプロビゼーションライブ『THE CHILLOUT TIME』の演奏を終えると、ナカコーことKoji Nakamuraは最低限の機材の電源を切り、トークイベントの席に座って自身の音のこだわりについて静かに答えていった。

「演奏していて自分が好きなポイントを探すまでの最初の5、6分はチューニングみたいな感じ。毎回そのポイントは違うんですよね。やってみて今のは良い音だなと思ったら、それを伸ばしていくという感じです」

音への人並ならぬこだわりと、自分のペースで物事を行うマイペースさ。寡黙さと独特の雰囲気を纏ったナカコーは愛煙家でもある。ライブを終えてからの中打ち上げでも、タバコを片手に静かにスタッフたちと語り合っている姿が垣間見えた。家で楽曲制作をするときもタバコは手放せないという。

「タバコを吸う頻度はかなり高いですね。ヘビースモーカーで、家ではエリアを分けて吸っています」

そんなナカコーが生まれ育ったのは青森県。寺山修司、三上寛、人間椅子といった個性溢れる表現力の強いアーティストたちを数多く輩出している土地だ。

「当時東北はわりと孤立していて、関西みたいなカルチャーの繋がりみたいなのが少なかったんですよね。でも、横の繋がりを持っていない人たちが多いからこそ個性があるというか。関西も関東もバンドや音楽をやる人が多いから理解してもらいやすいけど、東北ではなかなか理解はされないと思っていて。東京に出ればおもしろい人いるんじゃない? と思って自分も出て行ったんですけど、実際は東京だろうと、どこだろうと自分がやっていることはあまり変わらないですね」

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE