スティーヴ・ペリーが語る、エディ・ヴァン・ヘイレンとの「ロック史を変えたかもしれない出来事」

ヴァン・ヘイレンの「大罪」

ところでこの辺りで少し、ヴァン・ヘイレンがこのツアーの最中に働いていた悪行についても話させてほしいな。こいつはことヘッドライナーに対しては“大罪”の名にも値するような所業だよ。

ジャーニーがエマーソン・レイク&パーマーの前座についていた頃だ。ほかの誰の時でもきっと同じだったと思うが、その多くは俺がまだ加入する以前のことになる。いずれにせよ、バンドの使用する音響機器は最大出力に多少の制限をかけられていたものなんだ。前座の音量が大き過ぎて観客の耳がダメになってしまわないための措置だね。

そしていよいよヘッドライナーの出番となったらヘッドライナー用のシフトに戻すんだ。ヘッドライナーが正統にヘッドライナーたり得るよう、会場中のアンプというアンプを最適の状態にするんだよ。これは音楽業界の伝統だ。俺らが作った訳じゃない。でも、前座の立場にある時には俺らだって必ず従わなくちゃならないものだった。



だからヴァン・ヘイレンが俺らとモントローズの前座に就いていた時にも、音響機器には多少の制限が加えられていたんだ。しかし彼らのミキサーが素晴らしく頭の切れるやつだったことはここで申し添えておかないとならない。エディは自前のマーシャルを積み上げて舞台に立った。マイケルはSVTのベースアンプだ。だから会場のPAを通すのはドラムとヴォーカルだけだったんだ。そして、さっきも言ったけれど、彼らの音ってのはツェッペリンがセックス・ピストルズと出会ったみたいなサウンドなんだよ。

Translated by Takuya Asakura

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