ブルース・スプリングスティーンの名曲ベスト40選

最新アルバム『レター・トゥ・ユー』をリリースしたブルース・スプリングスティーン(Photo by Danny Clinch)

ブルース・スプリングスティーンの通算20作目、盟友Eストリート・バンドと6年振りに再びタッグを組んだ新作『レター・トゥ・ユー』が完成した。

アルバム制作の舞台裏や収録曲については、先日公開した米ローリングストーン誌の最新カバーストーリーに詳しく記されているが、ここでは2018年の同誌が作成した「ブルース・スプリングスティーンの偉大な100曲」から上位40曲を紹介。

都会で生き抜く術をテーマにした初期の作品から、スタジアムを揺らす絶頂期の『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』(1984年)を経て、社会・政治色の濃い『ハイ・ホープス』(2014年)まで、音楽ライターだけでなく、アーケイド・ファイアのウィン・バトラー、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロ、ジャクソン・ブラウンといったアーティスト、また俳優のエドワード・ノートンも参加している。

40位 「ヤングスタウン」/『ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード』(1995年)収録



レーガン大統領時代に悪化した経済状況に対するスプリングスティーンの回答。弱っていく父親の姿を見ている失業中の製鋼工をシビアに描いた。歌詞は、著作『Journey to Nowhere: The Saga of the New Underclass』の「横になって眠れずに考える。“俺が唯一できることがもう必要ない、と言われたらどうしよう。家に帰って家族に会わせる顔がない”」という一節にインスパイアされている。マーティン・リフキンのペダルスチールギターとスージー・ティレルの印象的なバイオリンが、スプリングスティーンの歌詞と強烈に絡み合う。

39位 「マイ・シティ・オブ・ルーインズ」/『ザ・ライジング』(2002年)収録



スプリングスティーンは、若き日を過ごしたアズベリー・パークで2000年12月に行った一連のクリスマスコンサートで、この曲を披露した。景色の美しいビーチタウンも、賑わっていた全盛期を過ぎて既に衰退していた。しかし9.11の犠牲者のためのテレビの長時間番組に出演したスプリングスティーンが、ゴスペル風の演出で(歌詞を一部変えて)歌った時、曲は新たな命を吹き込まれた。アルバム『ザ・ライジング』の素晴らしいラストを飾ることとなったこの曲は、ザ・バンドの楽曲「ザ・ウェイト」を彷彿させる。2012年、(クラレンス)クレモンズへのトリビュートとなった「レッキング・ボール」ツアーでは、毎晩この曲がまた特別なものになった。「シティ・オブ・ルーインズ」は今や、Eストリート・バンドそのものとなったのだ。

Translated by Smokva Tokyo

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