性犯罪者エプスタインの少女調達役、供述書で明らかになった「元恋人の本音」

供述書の中で唯一真実が語られた場面とは?

このあとマックスウェル被告は事実上、ひたすら譲歩の姿勢を見せる。1992年に出会ってからエプスタイン被告とマックスウェル被告は短期間交際したが、やがて彼は彼女を6つある屋敷の内装係と使用人の雇用係として雇った。彼女は宣誓下で、エプスタイン被告のマッサージ係として18歳未満の人間を誘ったことはない、と断言している(ただしジュフリーさんの主張によれば、彼女は16歳のときマー・ア・ラゴでマックスウェル被告から仕事を持ちかけられたそうだ)。「私があそこにいた間、私が同席していた時は、ジェフリーにマッサージをしていた人は男性も女性もみな18歳以上の成人でした」とマックスウェル被告。未成年少女との性的行為について知っていた、あるいは関与していたという主張を再三否定した。

供述書の中で唯一真実が語られた場面は、エプスタイン被告との関係性について質問された時だ。「あなたは自分を彼の恋人だと思っていましたか?」というジュフリーさんの弁護団の質問に、マックスウェル被告はこう答えた。「それは答えにくい質問ですね。彼の恋人だと信じたかった時期はありました」。1990年代初期のころだ。離れたくても離れられない相手と身のない関係を続けている多くの女性が共感する発言だろう。422ページの供述書以上に、マックスウェル被告の動機と思われる内容を声高に物語っている。さらに言えば、マックスウェル被告がこの先動機を明らかにしない理由も、我々が完全に理解できない理由も納得できる。結局のところこの事件は、裕福で、権力もある、性根の腐った2人の複雑な男女関係の話なのだ。どんな恋愛関係もそうであるように、世間には決して知りえない、あるいは理解できない秘密の世界があるのだ。

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from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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