性犯罪者エプスタインの少女調達役、供述書で明らかになった「元恋人の本音」

ギレーヌ・マックスウェル被告(Photo by Paul Bruinooge/PatrickMcMullan.com/Sipa USA/AP)

未成年の少女らを性的虐待したとして起訴され、拘置所で死亡した米富豪のジェフリー・エプスタイン元被告。7月には、元被告に若い女性を調達していたとみられる英国人のギレーヌ・マックスウェルが売春組織への関与と、未成年者に対する行為の偽証罪で逮捕された。彼女は無罪を主張しているが、有罪になれば懲役35年が求刑される。

連邦裁判所は現地時間19日、2016年に行われたマックスウェル被告の422ページにわたる供述書の公開を命じた。エプスタイン元被告による性犯罪の被害者の一人で、当時17歳だったヴァージニア・ロバーツ・ジュフリーさんがマックスウェル被告を相手取って起こした裁判の際の証言である(訴訟は2017年に和解。和解金の額は明らかにされていない)。ジュフリーさんはマクスウェル被告が彼女をイギリスのアンドルー王子に紹介し、性行為を強要されたと主張していた。

この4年間、マックスウェル被告は供述書を公開させまいと必死に戦ってきた。自分のセックスライフが事細かに書かれているため、公開されれば刑事裁判での十分な弁護に支障をきたす、というのが彼女の主張だった。だが実際に供述書を読んでみると、彼女がなぜそこまで執拗に公開を拒んだのか理解しがたい。422ページのどこにも彼女の個人的な情報はいっさい出てこないからだ。マックスウェル被告の非協力的な態度は捜査妨害が目的だと言わざるを得ない。

供述書を見ると、マックスウェル被告はいかなる質問にもはっきり答えようとしていないことがわかる。何ページにもわたり、ジュフリーさんの弁護士と「大人の玩具」の定義について議論している(「操り人形」という言葉の定義について議論している場面もある)。彼女の態度は怒りまかせの拒絶と(ある時点では、テーブルをたたいたことについて謝罪させられている)、一貫して恋人をかばう姿勢との間を行き来している。特にイライラさせられるのは、彼に性的虐待を受けたという未成年者の30件近い通報記録を目の前に突き付けられているにもかかわらず、エプスタイン被告が未成年者に惹かれていたのか、というジュフリーさんの弁護士の質問への答えを拒む箇所だ。

Q:ここに警察への通報記録がありますね。刑事捜査についてもご存知でしょう。ジェフリー・エプスタイン被告が未成年者に性的虐待を働いたと思いますか?

パリュウカ氏(マックスウェル被告の弁護士):再度異議を申し立てます。

マックスウェル:目の前に出されたものが何かは分かります。中身についても。

Q:私が尋ねているのはあなたの考えです。ジェフリー・エプスタイン被告が未成年者を性的虐待したと思いますか?

マックスウェル:私が実際に読んだ内容と、見せられたものについてしかお話しできません。

Q:あなたの考えを聞いているんです。あなたの考えでは、ジェフリー・エプスタイン被告は未成年者を虐待しましたか?

マックスウェル:私が個人的に知っていること、ヴァージニアさんが語った嘘について個人的に知っていることしかお話しできません

このようなやり取りが13ページも続く。

Translated by Akiko Kato

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