AC/DC独占インタビュー 復活までの道のり、マルコム・ヤングとの絆、永遠のロック魂

AC/DC(Photo by Josh Cheuse)


ブライアン・ジョンソンの苦悩(2)

2016年3月7日に、バンドはプレスリリースを出した。『ロック・オア・バスト』の北米ツアーの残りの日程を、ジョンソンの聴力の問題により延期する、という内容だった。「3月8日のアトランタから4月初旬のニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンまでの公演は翌年後半へ延期し、ゲストヴォーカリストを迎える予定だ」と発表した。

特にコメントの最後の部分を受けて、AC/DCファンの間に衝撃が広がった。1980年に加入して以降、ジョンソン抜きでのライブは1度もなく、新たなシンガーを迎えるなどという状況は、全くの予想外だった。それから1カ月後、バンドはさらに大きな爆弾を落とすこととなる。

AC/DCは、「ブライアン・ジョンソンの長年に渡るバンドへの貢献と献身に感謝する。彼の聴力の問題が改善されることを願う。アクセル・ローズが我々をサポートしてくれることを約束した」という内容のプレスリリースを出したのだ。

いずれのプレスリリースにもジョンソン自身からのコメントがなかったため、彼がバンドの対応に不満を持っているのではないかという噂が巻き起こった。3日後、ジョンソン自身が声明を出した。「バンドからのプレスリリースで、ファンに対する自分の本心が伝わったとは思えないし、伝え方にも問題があったと思う」という書き出しで、自身の健康状態についての詳細を語った。「聴力がやがて改善し、ライブのステージへ復帰できることを願っている。先のことはわからないが、楽観視している。時間が経たなければ何とも言えない」

ジョンソン抜きでツアーを続行するというバンドの決断を、冷淡だと捉えるファンもいた。しかしアンガス・ヤングは、バンドにはこの厳しい選択肢しかなかったと主張する。「あらゆるシナリオを想定したが、どれも最善の方法ではなかった」と彼は言う。「ツアーをキャンセルすべきかとも考えたが、そうすると法的問題などあれこれ出てくる。マネジメントからは“もしも続ける気があるなら”ということで、代役候補者のリストを提示された。そこに思いがけずアクセル・ローズから連絡があり、サポートを申し出てくれた。とても喜ばしいことだった」

「ツアーをキャンセルすることもできたが、いずれにしろ、どの選択肢を取っても厳しい決断だった」とヤングは続けた。



ジョンソンはしばらくの間、公にコメントするのを避けてきた。しかし2019年、彼はダン・ラザーの番組で口を開いた。「まるで戦場で撃たれたようだった。次はお前だって感じでね。正直に言うと、オフィスへ行って、ウイスキーのボトルに頭を突っ込まれたようだった。上物のウイスキーだけど」と彼は語った。

現在のジョンソンは、ややニュアンスを変えている。「何もかも良く受け止めることができなかった。でもそれは過去の話。バンドを続けていれば、多少のでこぼこ道もあるさ」

Translated by Smokva Tokyo

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