AC/DC独占インタビュー 復活までの道のり、マルコム・ヤングとの絆、永遠のロック魂

AC/DC(Photo by Josh Cheuse)


ブレンダン・オブライエンとの制作、楽曲への手応え

2018年8月、彼らはバンクーバーにあるウェアハウス・スタジオに集結した。プロデューサーは、『悪魔の氷』(2008年)や『ロック・オア・バスト』(2014年)も手掛けたブレンダン・オブライエンだ。「ブレンダンは一緒に仕事している時に、こちらにも常に役割を与えてくれるのが、いいところだ」とアンガスは言う。「彼自身も楽器の才能がある。ベースやギターが弾けるし、ドラムも少し叩ける。それにピアノもできる。彼は、俺たちの音楽性を広くカバーしてくれる。自分の音楽的な知識を駆使できるミュージシャンと一緒に仕事をしているようなものだから、こちらとしても好都合だ」

アルバム制作のセッションが始まるまでに、ヤングはレコーディングしたいと目星を付けた12曲を用意していた。どの楽曲も、1973年に確立されたAC/DCの基本路線から外れていない。スタジアムでオーディエンスが熱唱できる、ラウドなギターサウンドのアンセム的な楽曲で、「デーモン・ファイアー」や「ウィッチズ・スペル」といった悪魔的なタイトルが付けられている。いつものように、アルバムにはバラードやラヴソングなどは含まれない。

先行リリースされたシングル曲「ショット・イン・ザ・ダーク」が、典型的な例だ。「AC/DCらしい堂々としたロックンロールで、コーラスもAC/DCそのものだ」とアンガスは言う。「タイトルがちょっと意味深なのは、俺たちが酒好きだからかもしれないな。レコード会社がこの曲を聴いて、とても強烈なインパクトのある曲だから真っ先に出すべきだと言ってくれたのが、とても嬉しかった」



「マネー・ショット」は、歌詞を見ても明らかにポルノ映画のクライマックスを歌っているように聴こえる(訳註:マネー・ショットには、ポルノ映画で最も重要な射精シーンの意味もある)。しかしアンガスによると、そのような意図はなかったという。

「カメラマンに“こうポーズを取れば金になる”と、よく言われたのさ。“それがマネー・ショットだ”ってね」とアンガスは説明する。「曲を仕上げている時に、そんなエピソードをブレンダンに話したんだ。すると彼は“マネー・ショットは誰でも知っている”と言うんだ。俺は“へぇ、そうか”という感じだった。だからポルノを歌った訳ではない。偶然さ」

「スルー・ザ・ミスツ・オブ・タイム」からは、バンドがいつになく内省的になっている印象を受ける。“暗い影が/壁に映る”とジョンソンは歌う。“絵画がある/掛かっているものもあれば/外れて落ちるものもある”

「俺たちは長い間一緒にやってきた。一生一緒にいるようなものさ」とアンガスは言う。「他の音楽に浮気したりせず、ずっとロックをプレイし続けている。自分たちがベストを尽くせる音楽を続けてきた。この曲には美術館のような雰囲気を感じる。例えばモナリザは、絵画の中でも永遠の傑作だ。この曲は、ロックのモナリザだと思う」

5人のメンバーはバンクーバーに集まったが、特にジョンソンとオブライエンはヴォーカル・パートに納得がいくまで取り組んだ(ジョンソンは、1988年のアルバム『ブロウ・アップ・ユア・ヴィデオ』以降、楽曲制作に関わっていない)。「俺は他の誰かが書いた歌詞を歌いながら、作詞家が思い描いた通りの曲に仕上げたいと思っている」とジョンソンは言う。「歌ってみては聴き返し、“ブレンダン、このテイクはあまりよくない。俺はもっと上手く歌えるはずだ”と言って歌い直してみる。すると“これはいい感じだ”というように、ブレンダンが常に判断基準になってくれるのさ」

Translated by Smokva Tokyo

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