AC/DC独占インタビュー 復活までの道のり、マルコム・ヤングとの絆、永遠のロック魂

マルコム最後の楽曲を届けるために

アルバム『パワーアップ』は、マルコム・ヤングがこの世を去ってから初めてレコーディングされた作品だ。しかし制作中もメンバー全員が、彼の存在を感じていた。「家でギターを取り上げて弾き始めると、まず頭に浮かぶのは“マルはこのリフを気に入ってくれるかな”ということだ」とアンガスは言う。「そうやって良い悪いを判断しているのさ」

「いつもマルコムがそこにいるような気がする」とジョンソンも言う。「アンガスもよく言っているが、バンドは彼のアイディアから始まった。何でも彼の意見を聞いて決めていた。彼は常に俺たちの心の中にいる。俺もいつでも彼のことを考えている。スタジオでも彼が見守っている気がして、手を抜いたプレイはできない。」

「マルのいないAC/DCは、AC/DCではない」とウィリアムズは言う。「どんな形でも彼はここにいる。常に一緒だ」

1988年のツアー途中に代役を務めたスティーヴィーは、2014年に再びバンドに加入した時も自然に合流できた。「スティーヴィーは、小さい頃からマルと同じような音楽スタイルで育ってきたから、素晴らしい仕事をしてくれた」とアンガスは言う。「まるでマルコムがフルヴォリュームのバカでかい音でプレイしているように、2台のギターが聴こえてくるんだ。」

アルバムの大部分は、2018年の夏に6週間かけてレコーディングされた。その後バンドは、2019年に入っても手直しを続けた。当初は2020年初頭にリリースする予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大により計画変更を余儀なくされた。「このような状況だが、無事にリリースされることを願う」とアンガスは言う。「パッケージやミュージック・ビデオなどについてアイディアを練っている時に、コロナウイルスの感染拡大が始まった。全てが一時停止した感じだ」

コロナ前にはツアーも予定されていたが、メンバーはジョンソンの耳の状態を見ながら慎重に進めたいと主張した。「俺たちは“小規模のコンサートをいくつかやったところで、面白くないだろう”と考えていた」とジョンソンは言う。「(打ち合わせ後に)皆がそれぞれの家へ帰って2日後に、大混乱が始まった。中国、ヨーロッパ、そして世界中へ山火事のように広がり始めた。ツアーどころではなくなってしまった。」

コロナ騒ぎの前にバンドは、かろうじて1度だけライブのリハーサルができた。「全員が絶好調で、素晴らしかった」とジョンソンは証言する。「少年時代に戻ったようにワクワクしたよ。」

メンバーは早くコロナ騒ぎが収まって、『パワーアップ』ツアーに出たいと願っている。しかしとにかく今はAC/DCが現役バンドとして復活し、マルコムの最後の楽曲を世界中に聴いてもらえることを喜んでいる。「手術後に彼を見舞いに行った時、彼はまだ話すことができた。彼は“心配するな。いつでもお前のために戦ってやるよ”と言ったんだ。彼はいつでも俺たちを支えてくれていた」とアンガスは振り返る。

「彼はAC/DCの全てだ」とアンガスは続ける。「バンドを始めた頃、俺が“これからどうする?”と聞いたら彼は、“俺には夢がある。荒々しい本物のロックンロールをやるんだ”と答えたのさ」

From Rolling Stone US.




AC/DC
『PWR UP』(邦題:パワーアップ)
2020年11月13日(金)世界同時発売
¥2,500+税
●高品質Blu-spec CD2仕様
●日本盤のみ歌詞・対訳付
視聴・購入:https://sonymusicjapan.lnk.to/PWRUP

Translated by Smokva Tokyo

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