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冷凍庫の中に入っていたFedExの箱

翌日、ナップの書類のコピーを大量に抱えたコーベルと筆者は、カリフォルニアにあるコーベルの自宅に向かった。彼は道中、次男坊の彼が陰謀論に関心を持つようになったきっかけが、両親が営んでいた輸出/輸入ビジネスがあまりに不透明だったことだと明かした「それが合法なのか違法なのか、俺には知る由もなかった」。彼はそう話す。

中世を思わせる彼の家に到着した時には日が暮れており、我々は足を1本失ったハスキー犬のLuckyに出迎えられた。一旦家の奥へ入っていったコーベルは、戻ってくると申し訳なさそうにこう述べた。「俺に嫁がいるっていうのは嘘じゃないんだけど、今日は体調が良くないらしいんだ」。彼はそう話す。

その時点で、筆者はコーベルのあらゆる主張を疑うようになっていた。我々が向かった母屋から少し離れたところにある建物は彼の作業スペースであり、彼がそこで映像を編集している間に、妻が料理を持ってきて部屋の前に置いていってくれるのだという。「ここが俺のプロジェクトの総本山さ」。彼は誇らしげにそう話す。壁には様々なUFO関連のプロジェクトのリストや書類が貼られており、その中にはロスアラモス国立研究所がラザーの在籍を否定している旨を記した文書も見られる。「それが誤りだってことは証明してやったよ」。コーベルはそう話す。「彼は請負業者扱いになっていたから、別の人名簿に登録されてたんだ」

しばらくしてコーベルは冷凍庫の中から、うやうやしくFedExの箱を取り出した。それは彼が筆者に見せたがっていたものの1つだ。中に入っていたのは、ファンが送ってきたバラバラにされた牛の皮の一部だった。「切り口が驚くほど滑らかだろ?」。コーベルはそう話す。「これは動物の仕業じゃない。地球上に存在しない機械か何かが使われたと考える人もいる」

彼はデスクトップコンピューターを立ち上げた。「すべてのファイルは6つの州にあるサーバーにそれぞれ保管されていて、コピーのひとつは常に俺が持ち歩いてる」。彼はそう話す(それは彼がいつも背負っている使い勝手の悪そうなリュックに入っている)。彼は砂漠の上空に浮かぶ、銀色のディスク状の物体の写真を見せてくれた。

「ある人物の息子が送ってくれたんだ。父親がこの世を去る前に、それが何なのかを明らかにしたいらしい」。コーベルは頰ひげを掻きむしりながらそう話す。「誰もが答えを求めているんだ」

Translated by Masaaki Yoshida

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