ジミー・ペイジが大いに語る、レッド・ツェッペリンの歩みとギタリスト人生

ZOSOのシンボルマークが持つ意味

ー4枚目のアルバムに描かれているZOSOのシンボルマークが、さまざまな形で本の各所に見られます。現在のあなたにとってどのような意味を持つのでしょうか?

ペイジ:基本的に僕が感じるのは、4枚目のアルバムだということ。(暫く沈黙)ごめん、君はローリングストーン誌だったね。『レッド・ツェッペリンII』があって、次にアコースティックギターを多くフィーチャーした『レッド・ツェッペリンIII』をリリースした意味も理解できないようなマスコミに酷評されたからね。実際にはデビューアルバムにも2ndにも3rdにも、アコースティックギターを使っている。しかし否定的な見方しかしないマスコミは、現在の方向性を急激に変えて進化しようとしているバンドの姿勢を理解できないんだ。それだけでなく、ステージ上でも僕らのように即興演奏したりすれば彼らは理解できず、認めようともしない。4枚目のアルバムは、とにかく何の情報も付けずにリリースしてほしいと思った。そうすれば、ああだこうだ言われることもなく、詐欺だとか誇大広告だとか批判されずに済むからね。いいさ。僕らのような音楽の技量を備えた詐欺師とやらが他にいるだろうか。いるはずがない。

数例を挙げると、「ブラック・ドッグ」「レヴィー・ブレイクス」「限りなき戦い」「天国への階段」を何の予備知識も与えずに聴かせたら、マスコミはどう評価するか見てみたい。何の情報も付けずにアルバムをリリースするんだ。ただし昔ながらの職人が独自のトレードマーク的な絵柄のスタンプを持っていると知っていれば、その人間を識別できるだろう。ただのシンボルマークから、誰もが独自のシンボルマークを持つという最高のアイディアへと発展する。誰もができることだ。

だから僕は自分のシンボルを使っている。それだけのことだ。初めに(レコードレーベルに)使った。すると人々は「このアルバムは、仮にこのシンボルを音に置き換えた名前で呼べばいいのか」と考えるだろう。だから意図的ではなかったが、どう思われようが、あるいは思われまいが構わない。今となっては、良いチョイスだったと思う。すぐに僕だと認識でき、長い間残り続ける。元々そのシンボルができたのが16世紀だろうがいつだろうが、それから1971年を過ぎてさらに続く。(暫く間を置いて)こんな曖昧な答えでよかったかな。

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『アンソロジー』に掲載されたジミー・ペイジの「ドラゴンスーツ」の写真。(© Jimmy Page Archive 2019)

ーはい、結構です。本には衣装の素晴らしい写真もあります。ドラゴンスーツがきれいな状態で保管されていることに感銘を受けました。

ペイジ:このスーツはロンドンのビクトリア&アルバート博物館へ貸し出したんだが、返却された時には衝撃を受けた。まるで仕立てたばかりのような状態で戻ってきたんだ。肩の部分にギターストラップで付いた跡もなかった。不思議な衣装だと思っていたが、本当にそうだった。ポピー・スーツの方には、ややダメージがあった。それでも素晴らしい状態だ。

Translated by Smokva Tokyo

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