ジミー・ペイジが大いに語る、レッド・ツェッペリンの歩みとギタリスト人生

ジェフ・ベックと音楽を研究した日々

ーヤードバーズに加入したのは、あなたとジェフ・ベックがギターでビッグバンドのホーンサウンドを再現できると考えたからだ、とかつておっしゃっていました

ペイジ:そうだ。短期間だったが、一緒にやった。とても楽しかった。彼がバイオリンの弓で演奏するのを真似たのもその頃だ。「なんて凄いんだ」と思ったよ。でもその後は僕のトレードマークになったけれどね(笑)。

ーかつてジェフ・ベックにインタビューした時、2人でやる日曜の夜のジャムセッションがとても役に立ったと言っていました。エルヴィス・プレスリーやジーン・ヴィンセントのレコードで、誰がどうやって演奏しているかを研究していたそうですね。あなたにとってもアイディアの源になったでしょうか?

ペイジ:ジェフに出会った本当に最初の頃、僕は彼に「(リトル・ウォルターの)『マイ・ベイブ』はどう弾いている?」とか言って、彼の弾き方をチェックしていたんだ。そして僕は「そうか、僕はこう弾いている」という感じだった。彼とはすぐに打ち解けた。彼は自作のギターをとても自慢にしていたと思う。子どもだった僕らはロックンロールをよく聴き、ロックンロールのギターにのめり込んでいった。ティーンエイジャーの頃はそれが全てで、ロックに夢中だった。

ジーン・ヴィンセントの新しいレコードがリリースされても、ギタープレイをコピーするのは至難の業だった。しかしアコースティックでなくソリッドボディのギターを手に入れてからは、どうにか弾けるようになった。それでも上手く弾くためには努力が必要だった。特に(1956年の)『ジョニー・バーネット・アンド・ザ・ロックンロール・トリオ』は衝撃的だった。このアルバムの音楽的な調和は本当に驚異的で、ギタープレイはそれまで聴いたこともないほど難解だった。




ー2人がサウンドを追求し、誰がどう弾いているかを研究していたとは興味深い話です。後に楽曲制作をプロデュースする際の役に立ったでしょうか?

ペイジ:部屋の雰囲気を感じ取って、「こうこうこんな風だ」と表現することはできるだろう。同じくリトル・リチャードの曲を聴いて、何をどう弾いているかを理解することができる。スタジオミュージシャンになった時は、レコーディングのイロハを学ぶ良い機会だった。プロデューサーが何をして、アレンジャーがどう動くかを勉強できた。「自分なりのやり方を身に付けろ」とよく言われていたから、僕にとっては好都合だった。こちらの思い通りだ。その後エンジニアたちと関わるようになって、「聴いて欲しいレコードがある。どうやってこの音を作っていると思う? 僕にアイディアがあるんだけど」などと話せるようになった。学習曲線を描いていったのさ。そうやって訓練されていたから、僕は関係する皆にとって効率の良いやり方というものを心得ていた。

Translated by Smokva Tokyo

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