ジミー・ペイジが大いに語る、レッド・ツェッペリンの歩みとギタリスト人生

ヘヴィな音楽を作るモチベーション

ー『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』をリリースした後、あなたとボーナムはもっとヘヴィなレッド・ツェッペリンのアルバムを作りたかった、という記事を読んだことがあります。そのアルバムに関してはどのようなビジョンがあったのでしょうか?

ペイジ:1980年に既に取り掛かっていた。僕らはヨーロッパ・ツアーを行った。『プレゼンス』はギター・アルバムだった。その後ジョン・ポール・ジョーンズが、「ドリーム・マシーン」と呼ばれるヤマハ(シンセサイザー)を手に入れた。スティーヴィー・ワンダーも同じものを所有していた。彼はそのキーボードから多くのインスピレーションを受けた。彼はそれまで作曲などしたこともなかったが、突然たくさんの曲を書き出した。そこで僕は、ジョン・ポール・ジョーンズのキーボードをフィーチャーするのも悪くないと考えたのさ。彼はロバートと何曲か書いた。「素晴らしいじゃないか」と言える曲だった。その時点では明らかに、『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』がどのようなアルバムになるか、頭の中で描けていた。しかし次のアルバムは、キーボード・アルバムから脱却しようとしていた。

『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』のセッションを終えてジョン・ボーナムと僕は、次はもっとリフを中心としたハードでトリッキーな作品にしたいな、と話し合っていた。もちろん、彼がどのようなドラムを叩きたいかもわかっていた。彼は、人が聴いて「いったい何だ、これは?」と驚くようなハードなドラムを好んだ。僕のギターパートも同様だ。次回作のアイディアを練っていたが、それは基本的にキーボード中心のアルバムではなかった。キーボードはフィーチャーしても、メインではない。これまでとは違ったアルバムになるはずだった。ところがジョンを失って、実現しなかった。

ーヘヴィな音楽を作ろうと思ったモチベーションは何でしょうか?

ペイジ:強烈さや情熱のことかい?

ーはい、そうです。

ペイジ:何らかの形でとても印象に残った音楽や、ある時期に関わって変化が生まれたものや、聴いた時に自分に影響を与えた音楽などから来ているのだと思う。クラシック音楽のようなフルスケールの曲や、多くのレイヤーやテクスチャーを重ねた曲などもそうだ。例えばマディ・ウォーターズの「ロング・ディスタンス・コール」では、マディ・ウォーターズのスライドギターとディック・クローフォードのベースに、リトル・ウォルターがアンプを通してエレクトリックハーモニカを吹いている。背中がゾクゾクするような音楽だ。それぞれが効果的な役割を果たしている。


Translated by Smokva Tokyo

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