ジミー・ペイジが大いに語る、レッド・ツェッペリンの歩みとギタリスト人生

ギターから振り返る「天国への階段」

ー本には、「天国への階段」で使用した全てのギターの写真が掲載されています。「この楽器を全部使って曲を書いてやろう」という考えだったのでしょうか?

ペイジ:大半はハーモニー(アコースティック)ギターで書き、ヴォーカルのパートを考えた。そして僕が「ファンファーレ」と呼ぶギターソロの前の12弦を活かしたパートができあがった。そしてソロパートのコード。ソロのコードはエンディングでも使っている。

全てをアコースティックギターで作り、バンドのメンバーとリハーサルし、レコーディングした。全体ができあがったところで、僕は12弦ギターをかぶせた。ヴォックスの12弦を最初に使ったと思う。左右のスピーカーそれぞれに、別の12弦ギターを割り当てようと考えた。だからヴォックス12弦とフェンダー12弦のサウンドの違いが出ている。もちろん、ギターソロの前のいわゆるファンファーレのパートでは、全てを一緒に弾いている。

最後にギターソロを作った。基本的にこれが全てだ。メインはアコースティックで、全体を通じて流れる2台の12弦ギターとギターソロ、という構成だ。

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「天国への階段」で使用されたギター。中央から時計回りに、60年代半ばのハーモニー・ソブリン、1966年製ヴォックス・ファントム12弦、1968年製ギブソンEDS-1275ダブルネック(ライブ用)、1966年製フェンダー・エレクトリック12弦。(© Jimmy Page Archive 2019)



ーライブではどのように再現しようと考えましたか?

ペイジ:間違いなく「天国への階段」は、これまでの自分たちの楽曲にも他のアーティストの作品にもない壮大な曲で、ライブに欠かせない作品だった。そこで「ライブではどうやってアプローチしようか? 6弦のアコースティックか12弦か? 12弦と6弦のダブルネックもある」などと考えた。最終的にダブルネックのギブソンを選んだ。そのギターは今も弾いている。

つまり、楽曲の方がギターを選んだのさ。僕はそれ以外に何もできなかった。ダブルネックを見ると「あ、ジミー・ペイジだ。よく知っている。でも違うかな?」と思うだろう。しかし赤いギターだったら、それは恐らくジミー・ペイジだ。

Translated by Smokva Tokyo

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