東京・渋谷発の多国籍音楽集団ALIが描く、血の通った音楽と哲学

──Leoさんは、ボブ・マーリーをフェイバリットにあげています。どういう部分にシンパシーを感じるんでしょう。

Leo:ボブ・マーリーって、すごく失敗しているんですよ。世界的に売れる前にジャマイカで自分のレーベルも作って曲を出すんですけど、何回か潰れている。で、その時代に出していた楽曲をもう1回メジャー・アルバムで出していたり、全然諦めないんです。あと、ボブ・マーリーの作品の質感はレコードで聴くと特に生々しくて、むちゃくちゃでやばいわけですよ。聴いたとき、1発でぶっ飛ばされた。それに、自分で演奏してみればみるほど、メッセージと音の作り方がなかなか出せないんですよね。ロックンロールの集まりなので。そこもぶっ飛ばされたし、人間として30超えても諦めずにいた人間性がやっぱり最終的には憧れというか。あとハーフっていうのもあるじゃないですか。そういうのもシンパシーを感じましたよね。

──もう一人フェイバリットあげているニーナ・シモンは、どういうところに惹かれたんでしょう?

Leo: ニーナ・シモンの「Sinnerman」って曲があって、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズもカバーしているんですけど、この音になりたい! と感じる曲なんですよ。完璧なんです。あまりにも生々しいし、音としても超かっこいい。よくよく調べると、彼女自身戦っていた人で、黒人公民権運動の先端に立ったり、人間としてもエネルギッシュだった。その中でも歌に対する誠実さがあるというか。ボブ・マーリーもニーナ・シモンも、カート・コバーンとかもそうなんですけど、音楽に対する誠実さは憧れであり、そうなるべき姿なんですよね。その後の人生が幸福か関係なく、それはやっぱり心打つというか。

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