syudouが語る「ボーカロイドとヒップホップ」

syudou

一度聴いたら耳から離れなくなるようなクセのあるメロディと、ダークで不穏な歌詞世界によって「中毒者」を増やし続けているボカロP、syudouによる前作『最悪』からおよそ1年半ぶりの2ndアルバム『必死』がリリースされた。

本作は、すでにYouTubeでも再生回数360万超えの「孤独の宗教」や、SEGAのゲーム『プロジェクトセカイ』への提供楽曲「ジャックポットサッドガール」、6人組エンタメユニットすとろべりーぷりんすのリーダーななもり。への提供曲「悪い人」のボーカロイドver.など、すでにインターネットを中心に話題を集めている楽曲を多数収録。またアルバム後半では、過去曲「邪魔」や「馬鹿」を自身のボーカルでカヴァーするなど、前作の路線を引き継ぎつつも新たな試みに果敢に挑んだ意欲作となっている。



高校時代、ボーカロイド・シーンにハマり、紆余曲折を経て現在ボカロPとして独自の地位を築きつつあるsyudou。その類稀なる音楽性はどのようにして培われてきたのか。自身のルーツやアルバム制作に関するエピソードはもちろん、「ボーカロイドとヒップホップ」の共通点についてなど興味深い話をたっぷりとしてくれた。

―syudouさんがボーカロイドの魅力に気づいたのはいつ頃ですか?

syudou:確かニコニコ動画を見始めたのが2007年なので、かなり初期からボーカロイドも聴いていました。最初のうちはそんなにハマっていなかったんですけど、2009〜2010年あたりから米津玄師さんが「ハチ」名義で登場したり、WOWAKAさんやDECO*27さんが音源を上げたり、一気にシーンが活性化していって。「あれ? 普通にかっこいいじゃん」と思うようになった。むしろフォーマット化されたバンドよりも、よほど好き勝手やっているなと。そこからどんどんボーカロイドを聴くようになっていきました。

例えばクワガタPさんの「フラッシュバックサウンド」という曲が僕は大好きなんですけど、あれとか「ロキノン系」の耳で聴いて「かっこいい」と思えるバックトラックにボーカロイドを乗せているんです。「こんなことまでボーカロイドはできるのか!」と思った大きなきっかけですね。当時のニコ動は、掘れば掘るほどボーカロイドでしかできない表現を追求していて本当に面白かったんですよ。いろんなものを呑み込んで肥大化していくところはヒップホップに近い気がするし。

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