ビリー・ジョーが選出、グリーン・デイを象徴する15曲

13.「オーディナリー・ワールド」
『レボリューション・レディオ』(2016年)

Chelsea Lauren/Shutterstock

2016年に映画『Ordinary World』に主演した。監督のリー・カークは俺が演じたキャラクターの人生を総括するような曲がほしかった。ボツになった曲が2つほどあって、その一つ「アウトローズ」が『レボリューション・レディオ』に収録されている。そのあとに出来た曲がカントリーっぽい「オーディナリー・ワールド」で、これが映画にフィットした。家族について歌った曲だよ、マジで。(「光り輝く街はどこにいったらあるだろう/この平凡な世界で?/どうやったらお宝を埋めたままいなくなれるっていうの/この平凡な世界で?」)つまり、シンプルな物事こそが得られる人生最大のつながりだと気付くってこと。俺たち、本当は重要じゃないことをあれこれ考えすぎるんだよ。

俺はこの曲を「2000ライト・イヤーズ・アウェイ」の20年後の姿だと思っている。人との関係の高く評価するし、エイドリアンとは本当に深い部分で結びついているし、グリーン・デイともとても深く結びついているんだ。人は「人とのつながりを長い間保つ理由はなに?」とか聞くけど、そんな理由、俺にもわからない。ただ、俺にとってルーツが大事なんだと思う。




14.「Love Is for Losers」
『Love Is for Losers』(2018年)

Christopher Polk/Variety/Shutterstock

これは(別プロジェクトの)The Longshotの曲だ。自分でプロデュースしたってことと、あまり深く考えずに作ったっていう点こそ違うけど、俺にとっては『ウノ!』『ドス!』『トレ!』の延長線上にある曲なんだ。全パートを自分で演奏して、出来上がった曲をSoundCloudに上げたり、曲の断片をInstragramに載せたりしてた。その過程で、俺はレコードを作ることの楽しさと、それがいかにクールなことかっていうのを再認識したんだ。バンドとして正式に活動を始めたのも、そういうコンセプトありきだった。中期のリプレイスメンツや、俺のお気に入りのバンドExploding Heartsみたいな、すごくストレートなロックンロールがやりたかったんだ。ロネッツや初期のビーチ・ボーイズの影響もあるかもしれない。

まず曲のリフが浮かんで、冒頭の「ぶっ壊れた車の助手席に座ってる」っていうラインがすごく気に入ったんだ。行き詰まった感じがすごく出てるからね。アンチ・バレンタインデー・ソングみたいな曲で、自分を卑下してバカになりきるっていう、俺のルーツに立ち返ったんだよ。バカを演じるっていうことにおいては、俺の右に出るやつはいないからね。




15.「ファザー・オブ・オール…」
『ファザー・オブ・オール…』(2020年)

Christopher Polk/Variety/Shutterstock

この頃、モータウンとソウル・ミュージックに夢中になっていて、チャネリングを試みていた。グリーン・デイの場合、針に糸を通すような正確さが求められる。グリーン・デイらしからぬことを唐突にやってしまわないようにね。これって奇妙なバランスの上に成り立っているんだよ。この曲のリフを俺が思い付いて、トレと一緒にデモを作った。この直前に俺はプリンスの初期のアルバム2〜3作を聞いていたんだけど、プリンスはあらゆるジャンルを正確に網羅していたんだ。ファンク、R&B、古いクラシックロックなど、それらのサウンドをプリンスにしか作れないサウンドに料理していた。それにすべてファルセットで歌っている。それで俺もファルセットで歌いたいと思ったのさ。「俺らしく聞こえなくてもいい」ってね。

それと同時に、そのときの俺は奇妙なうつ状態で、この曲はそれについて歌っている。生きるための葛藤をしていたのだが、これは最近の文化が影響していると思うんだ。トランプについての曲を作るのは難しいし、『アメリカン・イディオット』にはスローガンみたいなものが入っていた。でも、トランプのせいで、現在の文化には毒が仕込まれていて、俺たちは以前に戻れないほどのパラノイアに陥るほど根深く分断されている。本当に忌々しいし、不快だよ。「自分の内側にある暴動で俺たちはライバルだ」という歌詞がある。これが今現在の文化で起きていることだと思う。内乱が起きようとしている。そして、マイクのベースによって究極のグリーン・デイ、ソングになっているんだよ。この曲ほど誇らしいシングルはいまだかつてなかったね。








<INFORMATION>


『No Fun Mondays』
Billie Joe Armstrong(ビリー・ジョー・アームストロング)
全世界同時リリース
ダウンロード/ストリーミング:https://Japan.lnk.to/BillieJoeArmstrongMe

■グリーン・デイ グッズ情報

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■グリーン・デイ アーティストページ
https://wmg.jp/greenday/

■グリーン・デイ 来日公演特設サイト(2021年3月)
https://www.creativeman.co.jp/artist/2020/03greenday/

Translated by Miki Nakayama

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