ダーティ・ループスと亀田誠治が語る、「誰とも似ていない音楽」を作り出すための信念

ダーティ・ループスと亀田誠治

 
スウェーデンの超名門、王立音楽学校仕込みのアカデミックな知識と、超絶テクニックに裏打ちされた鉄壁のアンサンブルによって音楽シーンに鮮烈なインパクトを与えた3人組バンド、ダーティ・ループス。その衝撃的なデビューアルバム『Loopified』から実に6年ぶり、彼らの最新作となる9曲入りのEP『Phoenix』がリリースされた。

本作には、今年4月にリリースされた「ロック・ユー」を含む新曲5曲に加え、1年ほど前からYouTubeにて公開されていたシリーズ「SONG FOR LOVERS」よりインストゥルメンタルの楽曲4曲が、日本盤ボーナストラックスとして収録されている。ポップスやジャズ、ファンク、ブルーズ、カントリーなど様々な音楽的エレメンツを貪欲に取り込みつつ、自分たちのカラーに染め上げる彼らの手腕は健在どころか、この6年間でさらなる進化を遂げていることが、この1枚でわかるはずだ。

今回RSJでは、ダーティ・ループスの3人とプロデューサー / ベーシスト亀田誠治との座談会をリモートにて実施。ダーティ・ループスをデビュー時から絶賛し、自らのラジオ番組にもゲストとして迎えて「マニアックな音楽談義」に花を咲かせた亀田とともに、ダーティ・ループスの魅力や新作の聴きどころ、さらにはスウェーデンの音楽と日本の音楽の共通点まで、様々なトピックで盛り上がった。


亀田が振り返るダーティ・ループスとの出会い

―まずは亀田さんと、ダーティ・ループスの馴れ初めを聞かせてもらえますか?

亀田:J-WAVEで僕がやっていた番組『BEHIND THE MELODY~FM KAMEDA』に、彼らがゲストで出てくれて。ちょうどファーストアルバム『Loopified』がリリースされた頃で、確か当時は「デヴィッド・フォスター肝いりのバンド」という感じで紹介されていたと思うんですよ。僕はデヴィッドにもインタビューしたこともあり、「デヴィッドが推薦するスウェーデンの若いグループ」ということで聴いてみたのですが、こんなに歌心があって演奏能力があるバンドが登場したことに、とても驚いたし感動したんです。それで「是非、僕のラジオに呼びたい!」とアピールしたことを覚えています。

ヘンリック:あの時のことはとてもよく覚えていますし、お会いできてとても嬉しかったです。



亀田:ものすごくマニアックな音楽談義をしましたよね? 昼間のFM放送ではとても聴けないような……確か僕はダーティ・ループスのコードワークについて熱弁しました。アッパーストラクチャートライアドを彼らはとてもよく理解しているから、他のポップミュージックにはない響きを生み出している、みたいなことを話した記憶がある。覚えてますか?

ヘンリック:覚えています(笑)。僕らもラジオ番組で、アッパーストラクチャートライアドのことを聴かれるなんて滅多にないことだから。すごく特別な時間でした。

亀田:そのあと、ビルボード東京でのライブを観に行かせてもらって。彼らの音楽は「アカデミックな教育に裏打ちされた〜」とか、「超絶なテクニック集団で〜」とか言われていて、実際そこがセールスポイントでもあると思うのですが、ステージの上の3人は、ただただ楽器と音楽をこよなく愛する少年たちが、とても楽しそうに音と戯れている印象だったんです。


亀田誠治

亀田:ヘンリックのベースも、アーロンのドラムも、ジョナの歌も、本当に素晴らしかったんだけど、それ以上にその楽しげな姿に感動しました。観る前は「ものすごく難しい顔をしながら演奏している子たちだったらどうしよう……?」なんて思っていたのですけど(笑)、とにかく楽しかったのを覚えていますね。

ヘンリック:あの頃は日本を何度も訪れる機会があって。セイジさんとお会いしたのは確か3度目の来日だったかな。まだ自分たちとしても、演奏することが新鮮だったんじゃないかなと思います(笑)。

Edited by Aiko Iijima

 
 
 
 

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