エルヴィス・コステロが語る、キャリア屈指の最新作と「過去に縛られない」自身の歩み

エルヴィス・コステロ(Photo by Ray Di Pietro)

通算31枚目のアルバム『ヘイ・クロックフェイス』が各所で絶賛されているエルヴィス・コステロ。本日12月4日にはイギー・ポップとのコラボで、フランス語でカバーした「No Flag」(最新アルバム収録)を公開している。ここではローリングストーン誌オーストラリア版のインタビューを完全翻訳でお届け。即興的なアプローチのレコーディング、コロナ禍に思うこと、そしてこの先の展望までコステロが大いに語る。

若きエルヴィス・コステロがニック・ロウと共にロンドンにあるパスウェイ・スタジオを初めて訪れた時、これからレコーディングするデビューアルバム『マイ・エイム・イズ・トゥルー』がどのような評価を受け、その後の自分にどのような未来が待っているかなど、全く想像も付かなかったに違いない。それから43年が経ち、コステロは31枚目のアルバム『ヘイ・クロックフェイス』のレコーディングのためのセッションに入った。

2020年の初め、まだ世界がコロナ禍におけるシャットダウン状態に入る前、新作の下地だけは完成していた。ヘルシンキにあるスオメンリンナ・スタジオで3曲のソロトラックをレコーディングしたコステロはパリへ飛び、レ・ステュディオ・サンジェルマンで週末のセッションに臨んだ。

【動画を見る】コステロがイギー・ポップとコラボした「No Flag」フランス語カバー

明らかな確信の無いままスタジオ入りしたものの、クリエイティビティが一気に湧き出て、さらに9曲の作品が生まれる。スティーヴ・ナイーヴ、ミカエル・ガシェ、ピエール=フランソワ・“ティティ”・デュフール、アジュ、ルノー=ガブリエル・ピオンといった、コステロが「ル・クインテット・サン・ジェルマン」と名付けた面々が集結し、アルバム『ヘイ・クロックフェイス』の制作に取り掛かった。

「ビビッド」な音楽を目指した彼らは、セッション中にほとんど言葉を交わすことなく、スタジオ内に溢れるクリエイティビティの雰囲気に応えながら作業にあたった。その結果、これまでのコステロ作品にはないユニークなアルバムに仕上がったのだ。脅迫めいた口調の歌詞から、チェック・ベリー的な感情表現、陽気でジャジーな楽曲までバラエティに富む。正にコステロが待ち望んだ作品だと言える。

ニューアルバムのリリースに合わせて、エルヴィス・コステロがバンクーバーでローリングストーン誌とのインタビューに臨み、自然の流れに任せたアプローチのレコーディングからキャリア史上最高レベルの作品に仕上がるまでの裏話を語ってくれた。

Translation by Smokva Tokyo

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