ポール・マッカートニー×テイラー・スウィフト対談「誰かをそっと支えるような曲を書きたい」

パーティーの記憶

テイラー:もし今年が予定通りに進んでいたら、私とあなたはどっちもグラストンベリーフェスのステージに立っているはずだったんですよね。でも現実には、私たちは隔離生活を送りながら、それぞれアルバムを作った。

ポール:その通り!

テイラー:私はすごく楽しみにしていたんです。過去にあなたと会って話した時のことは、どれもすごく楽しい思い出として残っているから。同じパーティーに参加していて、ごく自然に演奏が始まって。デイヴ・グロールがステージに立って、あなたは……。

ポール:確か君は彼の曲を弾いてたよね?

テイラー:そう、彼の「ベスト・オブ・ユー」っていう曲を弾きました。でもピアノだったから、中盤に差し掛かるまで彼は気づいてなかったみたいで。あの日はあなたが、みんなにとって最高の思い出を作ってくれましたよね。あんな風に、周囲の期待に応えて演奏することはよくあるんですか?

ポール:いろいろと理由があってさ。きっかけはリース・ウィザースプーン(『キューティ・ブロンド』などで知られる女優/映画プロデューサー)で、「今日は歌ってくれるんですか?」って言われて、「いや、それはどうかな」って返したんだけど、「そう言わずにお願いします!」みたいに頼まれてね。それも理由のひとつだった。

テイラー:そういう人がいてくれて良かった。彼女がいなかったら、あの夜が音楽で彩られることはなかったでしょうから。

ポール:うん、その通りだね。


ポール・マッカートニーとテイラー・スウィフト 2020年10月6日 ロンドンで撮影
Photograph by Mary McCartney for Rolling Stone. Produced by Grace Guppy. Lighting: Pedro Faria. Digital Tech: Alexander Brunacci. Retouching: The Hand of God. McCartney: Styling by Nancy McCartney. Grooming by Jo Bull. Jacket by Stella McCartney. Sweater by Hermès. Shirt by Prada. Jeans by Acne. Shoes by Stella McCartney. Swift: Top and jacket by Stella McCartney. Pants by Ulla Johnson. Boots by Dolce & Gabbana.

テイラー:どんなパーティーでも、「何か弾いてくれない?」って言われない限り、ミュージシャンって自分からステージに立とうとはしないですもんね。

ポール:ウディ・ハレルソン(『ナチュラル・ボーン・キラーズ』『ゾンビランド』シリーズなどで知られる俳優)がピアノで「レット・イット・ビー」を弾いてたんだけど、僕の方が上手いなって思った。だから「ウディ、ちょっと横にずれてよ」と言って彼と一緒に弾き始めたんだけど、すごく楽しかったよ。僕はダン・エイクロイド(『ブルース・ブラザース』『ゴースト・バスターズ』などで知られる俳優/脚本家)みたいな人がすごく好きなんだ。彼はミュージシャンじゃないけど音楽が大好きで、パーティー会場を歩き回っては「さぁさぁ、何か弾いてよ」なんて言ってるんだ。

Translated by Masaaki Yoshida

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