マイリー・サイラス激白「生死を分ける27歳」で気づいた本当の自分

音楽だけで勝負できるようになってきた

ー10代の頃にニルヴァーナをカヴァーしたり、昨年のクリス・コーネルのトリビュートコンサートで「Say Hello 2 Heaven」を歌ったりと、あなたは過去にもロックへの傾倒ぶりを示してきました。こういったアルバムを作る機会を待ちわびていたように感じられますが、なぜ今なのでしょう?

わたしは天才的な戦略家で、随分前から計画はあったって胸を張って言えたらいいんだけどね。実際にはこのアルバムを作り始めた時、どんなレコードにしたいのかも分かってなかった。わたしはいつも、自分が置かれている状況やその時のライフスタイルを作品に反映させるようにしてる。なんてったって、わたしはカントリーを聴いて育ったんだから。ミュージシャンは皆ストーリーテラーであって、あらゆるレコードは物語なの。

ー現在のあなたは、これまで以上にアーティストとしてリスペクトされていると思います。それについてどう感じていますか?

皆そうだと思うんだけど、今わたしは音楽がプライオリティになってるっていう状況を噛み締めてる。(2013年に撮影された、彼女がアイスクリームのコーンを舐めている巨大な写真を指さして)あの壁に飾ってあるやつを見てよ。あの頃のわたしは、ミュージシャンだとみなされてなかった。音楽が中心のようでありながら、『バンガーズ』(2013年)は特にそうだったけど、あの頃の作品は完全にポップカルチャーの影に隠れてしまってた。音楽だけで勝負できるようになったっていう事実に、わたしは興奮してるんだと思う。それ以外のことで注目されてた原因がわたし自身の行動だったことも、今はある程度自覚してる。



こう言われたことがあるの。「君はものすごく才能のあるシンガーなのに、なぜ裸になったりお尻を振ったりして注目を集めようとするんだ?」。でも『シェール』を観て育ったわたしは、単純にショービジネスが大好きなの。エンターテイメントとポップカルチャーに夢中で、人々の記憶に残る瞬間っていうのがとにかく好きなの。メディアを騒がせてやりたいっていう願望が、自分の中にあることは自覚してる。でも時々、「わたしの曲ってちゃんと聴いてもらえてるのかな」って悲しくなることもあった。(2013年発表の)「レッキング・ボール」を聴いても、わたしが感じてる痛みは伝わらない。カメラを直視して、壁をぶっ壊し、涙を流し、手を伸ばそうとするわたしの姿は見えてこない。皆が連想するのは素っ裸のわたしで、それが誰の責任なのかはわかんない。わたし自身のせいかもしれないし、人間の脳みそがすぐにセクシュアリティに結びつけるよう仕組まれてるせいかもしれない。言い方を変えれば、裸がアートに勝るってこと。

【画像】マイリー撮り下ろし写真「皆が連想するのは素っ裸のわたし」(写真8点)

Translated by Masaaki Yoshida

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE