マイリー・サイラス激白「生死を分ける27歳」で気づいた本当の自分

ステートメントはもういらない

ー『バンガーズ』以来アリーナツアーを開催していませんが、それは意図的なことだったのでしょうか?

ニーズの問題だと思う。膨大な数の客席を埋めるには、膨大な数のファンがいなくちゃいけないんだから。

ー2017年に『ヤンガー・ナウ』をリリースした後、あなたはツアーに出るのではなく、飼っていた豚とリアムと共に自宅で過ごすことを選びました。当時の生活について教えてください。

2018年の上旬は家事ばかりやってて、当時はそれが心地よかった。今は以前にはなかった、健康的なヴィジョンを持ってるの。自分にしかできないことと、自分が受け入れられることとそうでないことについて、わたしはたくさん学んだから。数年前、わたしは夢のような人生を歩んでると思われてた。でも、それは事実とは程遠かった。ドラッグも酒も、当時つるんでた仲間も、全部不毛で刹那的だった。自分の可能性を最大限に引き出したり、目的を達成するための糧にはならなかった。

ー酒とドラッグに溺れていたのは、家で家事をしていた頃ですか?

そう。『ヤンガー・ナウ』の頃のわたしはピュアだった、とか言われるの。メディアはわたしの精神状態を、髪型や容姿でしか判断しないから。「ロングヘアでブロンドの今の彼女は正常で、ドラッグはやってない。髪を染めるか、脇毛の処理をやめたら、ドラッグをやり始めたということだ」みたいなね。



ーフェミニティと女性に対する、露骨な偏見ですね。

間違いなくね。「結婚した彼女は妻として家事に勤しんでいる」ってわけ。実際にはあの頃のわたしは思いっきり道をそれて、精神状態がかつてなく不安定だったのに。わたしはどんなことでも断言するのが好きじゃないんだけど、今わたしが素面を貫いてるのは、目覚めたときにいつも100パーセントの自分でいたいから。バランスの取り方を学んで節度を保てるようになったら、その時はまた酒を飲むと思う。でも今のところ、わたしはやらかすたびに自分に失望してるから。

毎朝枕の上に座って、親指と人差し指で瞼を抑えながら「酒をやめられますように」って願うなんてまっぴらだから。わたしはやると決めたら徹底的にやる。あの頃のわたしは、本当の自分とは程遠かった。あらゆる面でね。

ー酒を断ったのは自らの意思か、それとも必要に駆られてのことでしたか?

わたし自身の意思。見方によるかもしれないけど。今は自分の目的を達成することが不可欠だって感じてるの。わたしは今、あらゆることに区切りをつけようとしてる。さもないとそれがステートメントになって、継続しなきゃいけないっていうプレッシャーを感じることになるから。「ミッドナイト・スカイ」の「もう2度とない、永遠に」っていうフレーズはそういう意味だと思ってる。ステートメントはもういらない。

Translated by Masaaki Yoshida

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